十三話:掲示板+落武者リーマン

コルルオンライン掲示板


>攻略板


>>【一周年】大型アプデ情報スレ part10【おめ!!】




――――――――――――――――――




1:ワンダ




 ここは一周年記念大型アプデに関する情報集積スレです。


 新フィールド・メインクエスト・新スキルなどなんでも情報を募集。


 シークレットクエストに関する情報も大募集!!




 ※晒し禁止、SSは名前を消してください。


 ※次スレは900が建てる。


 前スレ


 【一周年】大型アプデ情報スレ part9【おめ!!】


 http//***************


 新コルルスレ


 【ドラゴンまだ?】新コルル情報 スレ part1






2:蘭丸




 イチ乙


 海に出航した連中はどうなったかなぁ?




3:さすらいの商人




 手持ちの木材も採取したのも全部買って頂きあり難き幸せ




4:ワンダ




 大型船一隻 


 中型船二隻


 小型船多数


 一週間でよく間に合ったね


 近海なら過剰戦力だ




5:ゲジゲジ




 イカダで向かってた勇者もいたけど……




6:蘭丸




 速度違いすぎてすぐ置いてかれるだろw




7:リュー




 今日の狭間攻略するから。


 参加者は集まってくれ。




8:ワンダ




 急だね


 


9:くると




 どこに集まれば……




10:桜




 すみません!


 狭間攻略に協力していただける方は


 18時40分までに狭間の入口にお願いします


 詳細は入口で説明しますーー!




11:ワンダ




 >>10


 入口と言ってもたくさんあるけど?


 


12:桜




 あわわ!


 シュリン近くの狭間入口でお願いします




13:蘭丸




 珍しいね〜


 エリュシオンが身内以外で募集とか




14:ワンダ




 それだけ本気ってことかな?




15:くると




 指揮とか進行とか大丈夫なのか?




16:ワンダ




 できるだけ協力しよう


 狭間も一番シークレットクエストに関係している可能性はある


 まだ一度も攻略してないしね




17:さすらいの商人




 やば! 


 商品仕入れてシュリンで露店準備だ!!




 ・


 ・


 ・


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コルルオンライン掲示板


>雑談板


>>【ドラゴンまだ?】新コルル情報 スレ part1




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15:リンカ


 


 >>10


 タマゴ型ってこと?


 どんな能力なの??




16:ぱらっち




 完全支援型らしい


 動くことすらできなくて、支援スキルが使えるらしい




17:めぇ子




 それは……


 面白いけど


 持ってたの新規の子でしょ? きつくない??




18:ぱらっち




 序盤は守護獣だよりの部分もあるしな


 VRの戦闘慣れしてればなんとかいけるかもだけど




19:ルーク




 新コルルげっとおお!!




20:リンカ




 >>19


 うおおおおおお!?




21:ちっぷ


 >>19


 詳細はよ!!




22:ルーク




 なんとぉおおお!


 スライムだああああ!!




23:リンカ




 え……




24:ちっぷ




 スライムか……




25:ルーク




 はぁ!?


 なんだその反応はよぉおお!!




26:ぱらっち




 スライムじゃなぁ……




27:ルーク




 タマゴで盛り上がってたのにっっ!?




 ・


 ・


 ・


――――――――――――――――――






◇◆◇






「マテリアルタワー。 塔型のダンジョンでね、これがあると中央のボスに特殊効果が発動しちゃうのよ〜」




「ふむふむ」




 俺は落ちてきた塔――マテリアルタワーについて、アルマに説明を受けていた。


何本も落ちて狭間フィールド上にいくつも存在している。 マップにもきちんと表示されていた。


 レフィーさん達は知っているので蜘蛛と戦闘中。




「ボスのHPが減ると出現するんだけど、これもやっぱりランダムな場所に落ちるのよね」




「ほう」




「こんな端のほうじゃ潰しに来る前に、攻略組が全滅しちゃうかも!」




 それは大変だなぁ。




「と、言うわけで! マテリアルタワーを攻略します!!」




 やっぱりね!




 禍々しいオーラを放つ漆黒の塔。


どう見てても難易度高そうなんだけど。




「ステータス」




――――――――――――――


名前:ノリオ


クラス:アサシン


種族:ヒューマン


レベル:85


ギルド:暁の月




HP:1130


MP:600




力:122


体力:113


敏捷:125


器用:64


知力:9


精神:60


SP:0




スキル:【短剣.Lv20】【投擲.Lv20】【バックスタブ.Lv20】


スキルポイント:22




物理攻撃力:251


魔法攻撃力:10


クリティカル:2.5倍(クラスボーナス+0.5)


攻撃速度:55




物理防御:35%


対火炎属性:0%


対風雷属性:0%


対水氷属性:0%


対土岩属性:0%


ダメージ軽減:0%




装備




武器:【レイダーダーク】


胴:【ローグの黒衣】


腰:【アイテムポーチ】


腕:【レイダーグローブ】


脚:【スファギのブーツ+1】


アクセサリー:【強襲の指輪+2】


―――――――――――――― 




 ステータスを開きSPを割り振る。


ここに来る前に76レベルだったのにもう85レベルなんだけど……。




「もう85レベルなんですけど、こんなに上がりやすいものなんですか?」




「今はレベル100まで経験値アップイベントがあるからだよ〜〜」




 パワーレベリングでも、本当はもっとかかるらしい。


運がいい時にゲームを始めたものだ。


 まぁちょうど夏休みだから、どこのゲームも学生を呼び込もうとイベントをしているのかもしれい。




「ふぅ……。 片付いたぞー」




「お疲れ様。 信ちゃん」




「……行く?」




 ここぞとばかりに疲れたアピールでハピさんに甘える信さん。


ラブラブすぎる。 信さんのデレ顔が酷く無骨な鎧に合っていない。


 別に嫉妬してる訳じゃないよ!?


ちょっとイラっとしただけだよ!!




「行こう!」




「おっしゃー! レアアイテムゲットして……ぐふふ」




 ハピさんにプレゼントするんですね? 分かります。 顔がキモイですよ、信さん。


 俺の中の頼りになる兄貴キャラが崩壊し、彼女に貢ぐ落武者リーマンにしか見えなくなった。




「……ノリオ。 怖い?」




「怖くないですよ!」




 一つ溜息を吐いたら勘違いされてしまった。




「行きましょう!」




 マテリアルタワー攻略――上等だぜ! レアアイテムゲットしてレフィーさんにプレゼントだ!!




「あれ……」




 手の上でふるえるシトリが殻を半分開け、半目で呆れたように見ていた。




 


◇◆◇






 『狭間の刻』のフィールド中央に存在する巨大モンスター。 ワールド級のクエストボスである。


 それを相手取り無数のプレイヤーたちが戦闘を繰り広げる。 大規模レイド戦の真っ最中であった。




 序盤はただの巨大な動く石像。


ただし、戦闘が進み大量のHPバーを減らすと本体が現れる。


石像であった外殻はパラパラと崩れ落ち、その深淵のような暗闇から闇が出現する。




「いいぞ。 削り続けろ」




「皆さんー! 雑魚が沸きますっ! マナクリスタルを破壊されないように気を付けてくださいーー!!」




 崩れ落ちた外殻はエリートクラスのモンスターへと変わり。


地面からは影のモンスターが出現する。




 そして天からは無数の塔が降り注ぐ。




「ちっ」




「うわぁ……。 これはマズいですね……」




 塔の正体はマテリアルタワー。


フィールド上にランダムで投下されたそれはボスを強化するためのギミック。


 プレイヤーたちはいち早く塔を攻略し破壊しなければならない。




「一華ちゃん。 頑張ってくださいーー!」




 バラバラすぎる。


塔攻略の為、あらかじめ別行動を取っていたギルドメンバーに投げやりのエールを送るプリーストの女性。




「桜。 油断するな、死ぬぞ。 俺が」




「すみません! リューさん、ヒールライトぉ!!」




 レイドの先頭でボスと対峙する青年。


青銀の鎧を身に纏い、輝く大盾と剣を構え、声を大にして吠える。




『かかってこい!』




 コルルオンライン最高レベルのナイトがボスと激戦を繰り広げているころ。






「あぁ〜〜。 遠すぎぃ。 どうしよっかぁ?」




「いやいや。 どうしよっかぁ? じゃないっすよ? 早くいかないとマズイっすよ!」




「でもぉ、遠くない?」




 ダメだこいつ。 なんでこんな奴がサブマスなんだよ! と、男は魔術師のローブを羽織りけだるそうにしている女を睨みつけた。




「でもじゃないっすよーー!」




「しょうがないにゃー」




 会話をしているうちに迫っていた魔物に向け。


自身の背丈よりも大きな杖を向けるローブの女。




「メテオ」




 この女がギルド『エリュシオン』――コルルオンライン最大派閥ギルドのサブギルドマスターを務めるのは単純だ。




「凄い……」




 変態的に強いから。


ダンジョン戦において常にトップキルを叩きだす。


 


 女は羽織っていたローブを脱ぎ捨てる。




「この鳳凰院一華様がやってやんよぉ♪」




 頭、大丈夫かと聞きたくなるような服に身を包む女。




 【魔法少女】鳳凰院一華はマテリアルタワー攻略に動き出した。




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