第3話 そっか、私が主人公か…え?
「あいちゃぁぁん!?」
「あ、バレちゃった…?」
ラブないのなかで、主人公がぶつかるはずだったあいちゃんと私がぶつかってしまった。
「えっと…。あいちゃんだってこと、内緒にしててもらってもいいかな?」
眉を下げて、上目遣いであいちゃんは私を見てくる。
…かわいいの暴力すぎる!
金髪のゆるふわボブに、ブレザーは流石に正義。
これを見るなんて死刑ですね。私が。
ラブないは主人公がカッコいいのは勿論、ヒロインも可愛いんだよー!
「だ、大丈夫。誰にも言わないから。」
「良かった!ありがとー!」
キラキラな笑顔に胸を撃ち抜かれちゃうぜ。
なんせ、あいちゃんはアイドルなのである。
名前がそのまんまとか、そういうことは作者が泣くから言っちゃ駄目だよ?
それ言ったら、甲斐明虎もちょっと武将感あるからね?
あいちゃんは、普通の女の子みたいに恋がしたくてこの高校に入ってきた。
そこで、甲斐君に出会うのだ。ぶつかって。
「あ!同じ学校なんだね!やったぁ。」
よろしくー、と、私の手を取ってブンブンと振るあいちゃん。
「…同じ学校?」
ふと、自分の姿を確認していなかったことに気がつく。
ポケットに入っていたスマホで自分を確認する。
「うわ、めっちゃタイプ。付き合いたいわ。」
黒髪ロングを、ポニーテールに結い上げた感じ。
それに加えて、タレ目でこちらも黒目。
ゆるふわな感じでこれはこれはかわいい。
おまけに、ラブないの制服着用である。
「うん!あいちゃんほどじゃないけど可愛いよ!」
あいちゃんちょい毒舌だなぁ。
「そいえば、お名前なんていうのかな?あ、みずきちゃん?よろしく〜!」
あいちゃんは、手早く私のスマホで連絡先を交換すると、走り去ってしまった…。
って、連絡先の交換はやぁ!
キーンコーンカーンコーン
遠くから、学校のチャイムの音が聞こえる。
あ、私の学校か…
「て、遅刻やん!?」
ダッシュで行きましたが、普通に遅刻でした。
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