1 見てるだけで満足だったんです。ええ、本当に
高校三年生となれば、受験を
中学では陸上部を辞めて、顧問の先生を失望させて。高校に入っても特技は見つからなくて、良い大学には行けそうもなくて両親を失望させている。それが私である。
絵を描く事は、これからも趣味として続けていきたい。今、私は部室で、自分の油絵を描きながらもチラチラと水野さんの方を見ている。私は彼女と、まともにお話をした事が無かった。いつも水野さんは怖いくらい真剣で、自分の課題に集中して、部員とも
私は水野さんの事を何も知らないに
何か
絵も
こんなに色々と考えていては絵なんか描ける訳もなくて、
『
そう言われて拒絶されたら、たぶん私は一生、立ち直れない。死に
異性からも同性からも拒絶された人間は、どうやって生きていけば良いのだろう。そんな事を私は考えて、だから
「ねぇ。さっきから声を掛けているんだけど」
「ひゃい!?」
はい、と言えなくて変な声が
「ななな、何でしょうか。私が何か
自分でビックリするくらい
「そうじゃなくて、絵の話。絵というか、今後の予定の話なんだけどね。それを聞きたくて」
絵の話? 予定の話? 私の絵が
「ほら、もうすぐ夏休みでしょう。だからさ……良かったら、私の家に来て、一緒に描かない?」
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