第6話 <甘くトロけて>転職1年後 ~家飲み~
おつかれさま。
チン
えっ、ちょっ、ちょっと!
なんで止めるのよ、せっかくキンキンに冷えた飲み頃なのにっ!
え?
飲む前のシラフの私に聞きたいことがある?
それ、明日にしてくれない?
早くビールを・・・・
はぁ、わかったわ。それで、何を聞きたいの?
聞くから早くして。
は?
私が?
あなたを?
好きか、って?
好きでもない人と一緒に暮らすほど酔狂じゃないけど、私。
これでいいかしら。
え?
ダメ?
・・・・好きよ。
これで、満足?
さ、もういい加減飲ませてちょうだい。
グビッ グビッ グビッ
くぅ~っ!
やっぱり、仕事の後のビールは美味しいわよね!
おやっさんのお店もいいけど、たまには家飲みも、いいでしょ?
簡単だけど、おつまみも作ったのよ。
タコキムチ、チーズ入りオムレツ、それから焼き鳥!・・・・焼き鳥は既製品だけど。
さ、食べましょ。
パクパクパクパク
グビッ グビッ グビッ
お代わりお代わりっと。
プシュッ
グビッ グビッ グビッ
ん~?
ビール進んでないねぇ?
どうしたの?
え?なに?
一本目を飲み終えた私に聞きたいことがある?
なにを?
あなたのこと、好きかって?
またそれ?さっきも聞いたじゃない、それ。
だから。
好きだって、言ったでしょ、さっき。
もう忘れたの?
何回も言わせないで。
・・・・あんまりしつこいと、冷凍庫で凍らせて黙らせるわよ?
いいからほら、飲みなさいって。
グビッ グビッ グビッ
・・・・無い。
無くなった。
お代わりっ!
・・・・お~、ありがとう!
ついでに、おつまみも無くなった!
何か作って?
プシュッ
グビッ グビッ グビッ
ぷはぁ~・・・・やっぱりビールは、おいしいねぇっ!
ね~おつまみ、まだぁ~っ?
ぬぉっ、これまたシャレオツな~!
・・・・こらキミ
こんなシャレオツなおつまみを、どこで覚えてきたのだ?おねえさんは、こんなの知らないぞ?
え?
ネットで調べた?
ふ~ん・・・・
パクリ
ごーかーくっ!
めちゃくちゃ、ごーかーくっ!
美味しいねぇ、これ、なに?
ゴルゴンゾーラチーズのハチミツ掛け?
こんなもの、買ってあったっけ?
えっ?
今日のお詫びに、買ってきた?
おー、気が利くじゃないの〜、いいねぇっ!
美味しすぎて、ビールが止まらない~!
今日おねえさんが飲み過ぎたら、キミのせいだぞ?
ふふっ。
グビッ グビッ グビッ
あ、無くなっちゃったぞ?
おねえさんは、もう一杯、飲みたいなぁ?
ん~?
その前に、二本目を飲み終えたおねえさんに、聞きたい~?
何を~?
おねえさんがキミのことを、ほんとに好きか、って?
・・・・はぁっ?!またぁっ?!
こらっ!
おねえさんは、しつっこいコは、好きじゃないぞ~?
・・・・も~、そんな哀しい顔するなら、最初からしつっこく聞くんじゃないの〜っ!
おねえさんはねぇ、キミの笑顔が、見たいぞっ!
ねぇ、見せて?
おねえさんの大好きな、キミの笑顔。
チュッ☆
ふふっ、か~わい~!
それじゃ、その可愛い笑顔をおつまみに、もう一本。
プシュッ
グビッ グビッ グビッ
ん~、お~いし~いねぇ!
あれ~?
なんでキミ、斜めってるの~?
ん~?
斜めってるのはぁ、あたし~?
キャハハハ!
ポフッ
こらぁっ!
なにを、抱きついてるかぁっ!
おねえさんはぁっ、まだ飲んでるとちゅ
チュッ☆
ちっ、ちっがーうっ!
その【チュ】じゃなくてっ、とちゅ
チュッ☆
おのれぇっ、一度ならず、二度までもぉっ!
そこになおれぇっ!
おねえさんがぁっ、せーばいして・・・・
え?
トシ?
トシシタだからぁ、ダメなのかってぇ?
なにがぁ?
えぇっ?!
あたし、そんなこと、言ったぁっ?!
年下君はぁ、ノーサンキュー?!
・・・・う~ん・・・・
し~らなぁいぞっと。
だってぇ、おねえさんはぁ・・・・
あたしはぁ・・・・
キミがぁ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ん~?
えええぇっ?きこえなかったのぉっ?!
仕方ないなぁ。
じゃあ、もっとぉ、ちかくにぃ、お・い・で。
もっと。
もっとぉ、こっちに。
い〜い?
ちゃんとぉ、聞くんだぞぉ?
ふふっ。
ダ・イ・ス・キ
チュッ☆
今度はぁ、ちゃんとぉ、きこえたかなぁ?
ふふふっ。
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