第5話 またも、G氏に・・・

 昨日4日は、朝と昼、いつもの私道を通りました。

 昼過ぎ、本日は早めに切り上げてということで、通りかかった矢先。

 ちょうど昼休みが終わる頃。

 G氏は、監視員としてこの工事現場で仕事されている模様。


 立ち止まって、少し話しました。

 話は、私のいた養護施設の話に。


 ただ、ここでは、その話の内容は述べない方がよさそうです。

 というより、述べられたものじゃないというのが、実際のところ。

 彼の怒りが、一見にこにことした表情から繰り出されてくる言葉に乗って、私のもとへと飛んで参るのです。

 そりゃあ、言わぬが、花でしょうよ。

 実際彼は、物語にしたほどの形ではないにせよ、それに近い形で、その養護施設を「退所」していき、一時期名乗っていた母方の苗字を捨て、父方の苗字に戻したほどですからね。


 まあその、出来損ないの家制度見たようなものを根拠にどうこうと、当時の担当職員がわかった口を彼に利いていたのが、大きな仇になったことは間違いない。

 その職員は、彼の母方の苗字を名乗っているというか名乗らせていたのを奇貨としてかどうか、母親を大事にしろの、妹と仲良くという名目で、その世話を押し付けるような言動をしていたのが、最後の最後、縁を切るような形でG氏はその施設を去っていきまして、今に至るわけね。

 それからなぜか、私は彼としばしば会う機会があるのですけど、話しとなれば、そういうことばかりで、ねぇ・・・。


 ちなみに、彼のヘルメットには、「G」と、父方の苗字が書かれていますし、仕事仲間の方も、「G君、・・・」と言っています。

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