第25話

私を家まで送ってくれた後、

知らせてくれた友人に連絡したらしい。

病院に行く事はしてないが状況を聞いていた。

元カノは精神が不安定になっていて

「死にたい」

と何度も漏らしていたという。

心配だったので一人暮らしをしている部屋に

様子を見に行ったら、風呂場で手首を切って

意識を失ってた。

発見が早かったので幸いにも一命は

取り留めたという。

友人は

「男女間の事だし、有ちゃんだけが悪いとは

 言えない」

と言ってくれたらしい。

その話しの流れを全部私に教えてくれた。

傷が回復して来たら、セラピストのいる

精神科に移る予定だということも。

有ちゃんは、別れる時にもっと話し合えば良かったと後悔していた。

その事件があった後から私達は

前のように、ただ楽しく遊ぶという事が

出来なくなって来ていた気がする。

私が原因で前の彼女と別れたわけではないし

特に理由があったわけではないが。

彼にも少し時間が必要なのだろう。

出来事が出来事なので、私も大人しく

時が過ぎるのを待つ事にした。

私の方の問題は、健ちゃんの元カノが

積極的に近づいているように見え

心の中で、元カノさん頑張れ!

と応援している。

私と有ちゃんは、お互いが何をしたでもないのに、徐々に上手くいかなくなって行った。

部屋に2人でいてもイチャイチャする事もなくTVを見て話しをして、夜になると帰る。

自殺未遂をした元カノの影が

どうしてもチラついてしまう。

叫んでいた声が頭をよぎる。

互いに変に気を使うようになってしまっていた。










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