第22話

「あのさ、誰かお掃除してくれてるの?」

有ちゃんは

「ん〜。 だよね」

変な返事を返して来た。

そして

「元カノが勝手に入って何かやってるんだ」

エッ? 勝手にって何だ?

「付き合ってる時に渡してた合鍵、

  スペアー作ってたみたいでさ」

「夜帰ると、綺麗になってたりする」

それって、不法侵入じゃんか。

「別れたんだから止めろって言わないの?」

「何回も言ったよ」

ここにもストーカーがいるのか。

こっちのは本格的なやつだ。

「昨日の夜は、花が飾ってあったから

  気味悪くて速攻捨てた」

あ〜それか。

どうにかしないと、2人でいる時に入って来る

可能性もあるわけだ。

逆上して殺されちゃうかも‥‥

本気で怖くなってしまった。

「ねぇ、鍵の交換しなよ」

「俺もそれ、考えてた」

そうと決まったら、すぐに行動だ。

有ちゃんはネットで調べた鍵の専門店に連絡し

次の日曜日に予約を入れた。

浮気かも? の疑いも晴れたし

モヤモヤしてた気持ちが少し治った。

それにしても、こんな事をする人がいるのには

かなり驚いた。

どんな気持ちで部屋に入ってたのか。

可哀想にもなったが、鍵の交換を知った後の

その元カノの行動が心配だ。

と、こっちの心配をしている時に

健ちゃんからLINEが来た。

「何処で何してるの?」

ん〜 返事をするべきか‥

既読は付いてしまったからマズい。

読まなきゃ良かった。

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