第17話

一日中と言っても過言ではないほど

今後の事を考えていた。

水曜日の夜、有ちゃんからLINE。

「土曜日、夕飯食べない?」

彼の職場は吉祥寺。

私は新宿。

中央線で直ぐだ。

あ! 完全に会うこと前提に考えてしまった。

日曜日の誘いよりかは、幾分気持ちが楽だったけど‥

問題は、またしても健ちゃんへの言い訳だ。

また嘘をついて他の男性と会う。

今までだって、女友達と待ち合わせて食事する事とかあった。

でも、既に疑いの目で見ている健ちゃんに

嘘を突き通せるのか、自信がなかった。

結局、友達とゴハンを食べて帰ると言い

日曜日に待ち合わせをした。

土曜日、車で出勤している有ちゃんと吉祥寺で待ち合わせをし、帰り道の洋風レストランに行った。

スパゲティを食べながら

「彼氏とはどんな感じ?」

「どぉって‥」

「俺、二股は嫌だから、別れられないんだったらもう連絡しないよ」

鼓動が早まり、物凄く動揺してしまった。

「もう少し時間が欲しい‥」

「どのくらい?」

どうしよう‥ どうしよう‥

悩んだ末、覚悟を決めた。

「1週間ちょうだい」

有ちゃんと逢えなくなるのは考えられない。

でも、毎日会社で顔を合わせる健ちゃんと

別れるなんて出来るんだろうか。

別れたくない、ではなく別れた後の会社生活を

気にしてしまっていた。

もう気持ちがあまり残ってない証拠だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る