第16話

家まで送ってもらいバイバイした後

急いで健ちゃんにLINEして謝った。

相当の憤りと心配をしていた。

そりゃそうだろう。

朝から夜10時近くまで連絡が取れないと

不安にもなる。

家にスマホを忘れた話しは信じてくれたようで安心した。

月曜日、会社で会ってすぐにもう一度謝った。

「もういいよ」

「それよりさ、日に焼けたね」

ドキッ!

鼻が赤くなってるのを気にしてたのだが

やっぱり気が付かれた。

「長い時間お墓の掃除してて、暑かった〜」

などと咄嗟に嘘をついた。

その日から気のせいか、スマホを触っていると

近づいて来て様子を伺う。

仕事中も、何回も目が会う。

帰りも毎日一緒に帰ろうとする。

常に監視されている気がしてならなかった。

こうなると、私の気持ちはどんどん冷めてしまうのに。

私の頭の中はあの部屋での出来事で

いっぱいだ。

今の状況を二股というのか分からないが

このままじゃいけないという事は分かってる。

確かに有ちゃんの事が頭の大半を占めているのは事実だが、健ちゃんの事を嫌いになったわけでもなく。

別れたいと決定的に思える何かがあったわけでもない。

本心は、両方と上手くやって行きたい。

でもそんなのは自分勝手過ぎる。

有ちゃんは女性に慣れてる感じがするから

もしかして遊ばれてるのかな‥

とも考えてしまう。

あ〜もうどうしたらいいのか分からない。






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