第8話
夏休みも終わり、通常の生活が戻って来た。
早起きして出勤、仕事、たまに帰りに
健ちゃんと食事。
でも私の頭の中は、藤本有一でいっぱい。
何でLINEして来ないんだよ!
と勝手にモンモン。
その場のノリで交換したのかな、
私服姿、どんなかな、
女ったらしに違いない、
などと思っていた休み明け1週間後
ついに待ちに待ってたLINEが。
《こんにちは。葉山で会った藤本だけど》
《覚えてるかな?》
覚えてるに決まってんじゃん。
口角が上がってる自分がいた。
何だかんだのやり取りをし、日曜日に会う
約束をした。
その時点で,健ちゃんには
友達と買い物に行くと言おう、と決めていた。
後ろめたい気持ちも多少あったが
うん、多少だった。
可愛い服よりカッコいい服にしよ。
暑いけどストッキング履いてヒールだな。
などと、部屋で着ては脱いで着ては脱いでの
一人ファッションショー。
Tシャツ、短パン、ビーサン姿を見られてるので
イメージチェンジをしたかったのだ。
女心ってやつですか。
健ちゃんに日曜日は友達と買い物だから
会えないと伝えると、
「そっか。楽しんでおいで。」
と優しい笑顔。
スラスラ嘘をつける自分が少し嫌いになった。
でもそれ以上に、日曜日が楽しみな自分がいた。
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