第4話

とても穏やかな鈴木さんとの日々は

心に安らぎを与え、周りの人達にも

優しく接する自分がいた。

隣の部署にいる元彼女がたまに私を

睨んでる様な気もしたが‥‥

別れ話しをした時、他に好きな人が

出来てしまったと告げたらしいが

相手の名前は言ってないとの事だったので

知っているか確証はなかった。

付き合い始めて4ヶ月後の夏休み

私達は葉山の海に旅行に行く約束をした。

あと2週間で旅行。

水着は用意したし、部屋着はどうしよう

パジャマはどうしよう

など、考えているだけでウキウキした。

当日までの、何と一日が長いこと。

両親には、女友達と海に行くと嘘をついた。

約束の朝、家の近所まで迎えに来てくれた彼の車に飛び乗った。

毎晩言っている

《おやすみ。また明日逢おうね》

この言葉を言わなくていいんだ。

それだけで嬉しくて仕方なかった。

海水浴シーズンの高速道路は大渋滞。

彼と一緒にいるだけで渋滞も苦ではなかったが

本来の性格は気の短い私。

次第に、

何でこんなに混んでるんだ。

あ〜右車線ばっかり動いてる。

前の車、車間開けすぎ。  

など、心の中で悪態をついていた。

彼は多少無口になって来た私に

「夏休みは混んでるの仕方ないね」

心を読まれたかのように言って来た。

眉間のシワを伸ばし無理やり笑顔を作って

「そうだよね。しょうがないよね。」

あ〜何て穏やかな性格なんだ。

自分は一生かかってもなれない自信がある。

平日なら2時間ほどで着く海に

4時間近くかかって到着した。





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