年に一度のお祭りの夜。四匹のあやかしのこどもたちが、人間の真似をして「肝試し」をすることになりました。
化狸の平吉、鎌鼬(かまいたち)の風子、烏天狗の天彦、河童の河太郎。
彼らの肝試しは何も、心霊スポットを巡るわけではありません。
それは、「順に人のお祭りへ行って、人間が売っている物を何か買ってくる」こと。
それぞれの得意技で挑む「肝試し」は、どれもつい頬が緩んでしまうほど微笑ましいです。
四匹の子どもたちも個性的で愛嬌があり、読んでいるとみんな好きになってしまいます。
そして実は、胸が温かくなるのは彼らのやり取りだけではなく……。
「肝試し」の持つ言葉とは正反対。
どこか絵本のような、あたたかい物語です。