第13話
■勇者アストリア視点
「それは勇者の証です」
僕の右胸に浮かんだ炎のあざを見て、執事がそう言った。
「では、僕が生まれながらに神から選ばれた勇者だと」
「その通りでございます」
一男爵家の子息として生まれた僕。
つまり、田舎貴族だ。
その僕が勇者だとは。
神は僕を見捨てていなかった。
「では、早速、王に謁見したい」
「お任せください。準備を整えておきます」
そして、王様に出会う。
「よく来た。アストリア」
「お呼びしていただき、光栄です。クラウス王」
「早速だが、魔王の討伐をお願いしたい」
「はい」
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