第12話

 女の子の方はアイナ、12歳。

 男の子の方はタスク、10歳。

 そして、俺、10歳。


 姉弟が牧師様の教会を継ぐことになった。


「でも、何かゴメンね。二人のお父さんを殺しちゃって」

「いいんです。お父さんはギザハさんに託したんですから」


 牧師様は離れた場所に暮らす二人に定期的に手紙を送っていたらしい。

 アイナの肩に止まっている鳥が手紙を届けていたそうだ。


「ポッポに届けてもらってたんです。人に送ってもらうと関所で検閲されますから」


 アイナはパンくずをポッポに与えた。


「クルックー」


 ポッポは無表情だが、ご機嫌な声を上げた。

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