第78話 再会
仁は、小坂飯店の2階に
連日の稽古に疲れも溜まっていて、22時には、うたた寝をしていた。
携帯が鳴る。
仁は、無警戒で携帯にでる。
「咲野仁くんかい?突然悪いね、夏見の父の〝如月条規〟というものだが、娘と携帯がつながらなくてね、娘と代わってくれないか?」と話しかけられた。
仁は、眠っていた事も手伝って判断力にかけていた。
何故?自分の番号を知っているかと。
仁は、隣の部屋で寝支度をしている夏見に伝えなければ、と思い夏見の部屋の引き戸を開ける。
「夏見!如月さんだ!電話だ!」
夏見も、父の事である、判断力が無く、「え⁈パパ⁈」と慌てて仁の携帯をとる。
夏見は、「パパ⁈パパなの?」と無我夢中で話かける。
「そうだ、嵯峨野一族に捕まっていた!逃げてきた!怪我をしている匿って欲しい!居場所は何処だ?諏訪まできている」とドクロ〝如月条規〟は声色を使い尋ねる。
夏見は、「小坂飯店という中華料理屋さん!解る?」と無防備に答える。
「小坂飯店だな?待ってくれ、ナビを入れる!‥10分くらいだ!店の前まできてきれ!」とドクロは伝える。
夏見は、「わかった!怪我は酷いの?大丈夫?」と心配する。
ドクロ〝如月条規〟は、「頭を少し切っている!だが運転はまだ出来る、すぐ行く」と言って電話を切った。
夏見は、パジャマから、慌てて着替えた、仁がいるにも関わらず。
仁は、「お父さん、如月さん怪我をしてるのか?薬箱持ってくる!」そう言って、下に降りた。
風呂に入っている小坂に、「薬箱どこですか⁈」と扉越しに聞くと、「店の冷蔵庫の上にあるぞ!誰か怪我でもしたのか?」と返事がある。
仁はこの時〝内緒にしなければ!〟と誤った判断をしてしまい、「ちょっとですから、大丈夫です」と言って薬箱を取りに店に向かった。
夏見は、店の前で〝条規〟が到着するのを待つ。
すると、一台のセダンが猛スピードで、到着した!
車から、頭から血を流したドクロ〝条規〟が降りる!
「夏見!」とよろけながら、夏見に寄りかかってきた!
夏見は、「パパ⁈大丈夫?やっと会えた!」と抱きつく。
ドクロ〝条規〟は、抱きつきながら、ポケットから、山下聖子から取り上げた、妖魔の〝石〟を出した。
見る見る〝石〟から、狐の妖魔が夏見に入っていく!
夏見は、父に会えた事で妖魔の気配すらわからない!
そこへ、薬箱を持った仁が、店から出てくる!
仁には、夏見に妖魔が入る姿が見えた!
「夏見!離れろ!」そう言って、ポケットから〝小鉄〟を出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます