第77話 侵食

 半年前 1月 大島師匠宅


 「ダメです!〝妖魔巣〟にはいれません!」

そこには、汗だくの如月条規がいた。

「おかしいぞ、それだけ〝力〟があれば、入れるはずじゃがな?」大島師匠は、首をかしげる。

「入ったと思うと、あっと言う間に頭に〝モヤ〟のようなものがかかり、眠くなるのです!」と自分が不出来である事を恥じた。

大島師匠は、「ふーむ‥あと考えられるとしたら、

〝侵食〟じゃな‥嵯峨野一族が、絡んでいるかもしれんな?あの精神科医の仇と‥」とそばにある本をめくりだした。


 嵯峨野一族の次男〝海斗〟は、車を運転していた。

 助手席には、〝如月条規〟が乗っている。

その後部座席には、骸骨のような骨貼った顔つきの男が寝ている。

その男が突如起きる!

「海斗さん!また入ってきましたぜ、〝如月〟」と少し慌てた様子で、運転席の海斗に話しかける。

「ドクロ、乗っとれ‥」そう呟く。

骨貼った男は、目をとじると、身体から、黄色味を帯びた〝煙〟が条規目がけてでる!

如月条規に〝煙〟が入り、如月条規が海斗に向く。

〝如月条規〟は、「侵食しました」そうとだけ呟き、目を閉じた。

海斗は、「ドクロ、しばらくは入れるなよ、娘から片付けたいからな‥」

海斗は、そう言うとアクセルを踏み、加速させた。



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