第16話 警察官

 夏見は裸でバスタブの中、髪の毛から滴るしたたる水の滴が背中から、お尻へつたわるのと同時に、ミシ、ミシとこちらへ何者かが近づくのに恐怖した。

その〝男〟は、条規が捕獲したカマキリ頭と豚頭を自ら飲み込み一層〝悪臭〟を増し、家の中を〝獲物〟を探し物色している。

時折、男は、バシャン!と家の中のものを〝破壊〟する音が聞こえる。

裸の夏見は、もし自分が見つかれば、〝凌辱りょうじょく〟されるであろう事は、察しがつき、震えが更に増した。

その〝悪臭〟は更に近づいて、洗面所まで来たことがわかった!

男は、バスルームの扉を開けた!

夏見は、今まで嗅いだことのない、強烈な悪臭にむせそうになるのを、必死で抑えた。

「はぁ、はぁ、はぁ」と荒い息づかいが聞こえる!

男は、今まで夏見が使っていたフェイスタオルを

手に取り、匂いを嗅ぐ!

「ふぉー、はぁ、はぁ、」更に荒い息が増す!

男は、数分、バスルームに居たであろか?

荒い息を残してバスルームを後にした。

バスタブの中に隠れている夏見は、恐怖し、音を出さずに、耐えるのに、限界の時間であった。

やだて、時折〝バシャン!〟と言う音を立てながら、その〝悪臭〟は徐々に離れていき、やがて、

家の中から消えた。


1時間後


 条規が家に入ると家の中は、滅茶苦茶になっている!

すぐに、夏見が心配になり、「夏見!」と大声を上げる!

「夏見!」条規は、歩き回る!

やがて、バスルームから、裸の夏見がふらふらと

出てきた!

「叔父様!」夏見はよろけるように、条規にしがみついた。


条規は、夏見から、起こったであろう事を聞き、〝捕獲〟したカマキリ頭を確認しにいくが、カマキリ頭は既に居なかった。

条規は、警察に電話をした。

直ぐに駆けつけてくれるそうである。


 ピンポーン!

条規がインターホンにでると、「警察です!通報できました!」そうインターホンの相手は、答える。

条規が玄関にいき、扉を開けると、そこには、制服を着た、いつかの〝坊主頭の筋肉男〟が立っていた。


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