第17話 アルコール中毒

 条規は、目の前に現れた警察官〝坊主頭の筋肉男〟に驚いた。

〝本当に警察官だったんだ〟 自分の思い込みで、

今回の〝強盗〟もこいつではないか?と疑っていた事に改めなければならいと考えた。

坊主頭は、「この前の!どうしたって言うんですか?」と条規の事を覚えている様子である。

条規は、「強盗です、娘が家にいたんですが、幸い無事でした、室内が荒らされてしまって」と現状を話した。

坊主頭は、警察手帳を出し「私は、山川と申します、先日は失礼しました。実は〝酒乱の女〟が息子を虐待してるかも、という事件を担当していたところで、虐待に敏感になってまして‥」と先日の理由を話した。

条規は、「そうでしたか、私も興奮してしまい、申し訳なかった」と口では言うものの、〝この男は怪しい〟と言う思いは、拭いきれなかった。

坊主頭の山川は、署に連絡を入れて応援を要請した。

条規は、〝マズイ〟と思い始めた、何故なら、自分は、ある意味〝誘拐犯〟であるからである。

夏見の素性を調べられたら、自分が捕まるのである。

やや暫くして、警察署から数名の警察官が来て室内を調べ始めた。

服を着た夏見は、条規にくっつき離れなかった。

夏見は、警察官に質問され、自分は隠れていて〝男〟の顔は見なかったと説明した。


事件は、実際に奪われた金品がないことや、夏見に被害がなかった事でそれほどは大事おおごとにはならなかった。

夏見をチラチラ見る坊主頭の山川からでる、〝卑猥な匂い〟は相変わらずであると、夏見は条規に耳打ちした。条規は〝嗅ではいけない匂い〟があるか?

聞いたが、それはしないと夏見は、報告した。

条規は、カマキリ頭を逃した〝輩〟が誰なのかが

問題であった。

認めたくはなかったが、師匠の言う通りになってしまった。

条規は、先程の〝酒乱の女〟の件も気になっていた。

記憶の琴線きんせんにふれたのである。

坊主頭の山川に近づきそれとなく〝酒乱の女〟の名前を聞いた。

坊主頭の山川は、「情報漏洩になるが、片岡さんと言う人だ」と教えてくれた。

〝片岡〟条規は、自分が休んでいた間に来ていたメールにあったような気がしてきた。


警察は、一通り調べを終、引き上げることになった。

帰り際坊主頭の山川は、夏見の肩に手を当て、

「無事で良かった」と口にしたが、夏見の顔色をみると、〝卑猥な悪臭〟がプンプンしているのがわかった。


条規は、警察が帰った後、PCでメールを確認した。

確かに娘の酒乱で困っていると言う依頼がきていたことがわかった。

カマキリ頭の手掛かりがない以上、この偶然を

追いかけるしかないか?と条規は考えた。


事の顛末てんまつをどう、大島師匠に報告するか条規は、困った。

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