2-18:本当の目的
グリーンとセレブリーはその光景を配信画面越しに見ていた。
「……クロヌリの奴、なかなかいい登場だな。配信映えがいい。」
「俺様達は5分後に襲撃だろ?なんかやる事ねぇのかよ?……ヤルか?」
「5分で果てるとか早漏過ぎるだろ、変態。」
「いやいや、俺様があんたをヒィヒィ言わせるのに5分あれば十分って話だぜ?」
「汚ねぇ。変態とパーティ組んでるのが嫌になる位には汚ねぇ。」
軽口を交わしながら南都を見つめる二人。
「……大将の計画通りクロヌリが仕掛けた北側に移動してるな。」
「そりゃぁイベントの告知に“貢献によって報酬のゲーム内通貨G(ゴールド)の獲得量は変化します。”って書かれてたらプレイヤーは戦場に近い所へ移動するわな。アタシだって向こう側ならそうする。」
「アオバちゃんのクエスト進めるのには都合がいい状態ってやつだな?」
「そっちで呼ぶな……そろそろ非戦闘員が南側に集まってきた頃合いか……行くぞ。」
グリーンは南都へと向かっていく。
すでにティラーウェポンである杖は出した。
それを追うようにセレブリーも己のティラーウェポンを出す。
「……それ、悪趣味だからアタシに向けないでくれる?」
セレブリーの持っている武器はグリーンの杖並の長さの裁ちばさみだった。
開閉するごとにシャキンシャキンと音を立て、お世辞にもいい音とは言えない。
「おいおい、これでも実用性の塊なんだぜ?小さな力でモノを切る道具ってのもそうだが真ん中を外せば双剣にもなる。刺してよし。切ってよしの最高の武器だぜ?」
南都へと侵入した二人をモブ傭兵団員は仲間だと思っているらしい。
それを尻目に壁を破壊するための爆弾を仕掛けていく。
「そういや、グリーンはどうして東都に協力するんだ?」
先ほどのやり取りで呼び名をグリーンに固定したらしい。
「……友達が助けてくれって言うんだから仕方ないだろ?」
「……そーかい。んじゃあ俺は未来の愛人の為ってことで。」
「……。」
「「行くぞ!」」
二人は走り出した。
目に映る人間を倒しながら、邪魔なモブティラーを倒しながら。
ただひたすらに走り出した。
【ユニーククエスト】
教皇の殺害1/1
南都で大虐殺を行う。76/1000
大聖堂の破壊1/1
大聖堂内での虐殺30/30
クエストはまだ始まったばかりだ。
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