-排除対象-

「ん...あっ!渡辺!...痛っ...」


いきなり飛び起きたのがいけなかったのか...頭痛がひどい。辺りを見渡して呆然とした。1人ベッドの上にいた。


「なんだここ...」


意味が全くわからないし状況が理解できない。

渡辺は、どこに行った?

ふらふらと立ち上がると荷物を持ってドアを開けた。

キョロキョロと見渡すとどうやらラブホテルのようだった。


「なんでこんな所に.....とりあえず早く出よう...」


渡辺は、無事だったんだろうか...連絡手段もないから明日にでも聞いてみよう。

全く意味がわからないまま車に乗りこみ乾くの度を潤す為に水を飲み干した。


そして次の日.....


「おはようございます...」


職員室に入ると他の先生が俺を睨むような蔑むような目で見ている。そこに渡辺もいた。


「渡辺!昨日は...」


声をかけようとすると体育教師の杉田先生が目の前に立ち塞がった。


「え?杉田先生...?どうしたんですか?」


「よくのうのうと学校に来れましたね!あんな事しといて軽蔑しますよ!」


あんなこと?なんの事だ?


「いや...あんな事とは?なんの話しですか?」


サイテー...

汚らわしい...


ひそひそと話してるつもりだろうが全て聞こえてきていた。


「渡辺をホテルに連れ出して無理矢理...っく!口に出すのもおぞましい」


杉田先生は目を伏せながら怒りに満ちた顔をしていた。渡辺をホテルに?俺が?何を言っているんだ...。

確かに昨日はストーカーの事で警察に行く約束はした。目が覚めるとホテルにもいたのも事実だ。


「佐倉先生。」


校長先生が、険しい顔をして近づいてきた。


「な...なんでしょうか?」


「この写真見て下さい。教師が、教え子にする事ですか?!」


バサッと床に写真がちらばった。そこには驚くべき光景が写っている。


「な...なんですか!?この写真!俺には覚えが全くありません!」


「嘘つき!先生が、あたしのストーカーだったんでしょ?!だから無理やり...あ...あんな事...」


渡辺が、大粒の涙を流しながら俺に訴えかけてきた。


「そんなわけないだろう!俺がストーカーだったら一緒に警察に行こうなんて言うはずないだろ?!」


「佐倉先生のスマホ貸してください」


杉田先生が、手を差し出してきた。威圧感で手が震えゆっくりスマホを渡した。

スマホの中身をじっくり確認するようにスライドさせていく。


「これは、なんですか?」


目の前にスマホの画面を差し出してきた。

全く身に覚えのない写真に言葉を失った...。

渡辺の上にまたがり泣きながら顔を隠すように制服もはだけている写真...。


「いや!本当にこれは俺じゃないです!信じてください!」


「先生...なんであんな事したの...」


英語教師の間宮先生に抱きかかえられながら小さな声で訴えかけてきた。彼女を守るようにしっかりと抱きしめ俺には、軽蔑の眼差しを向けている。

何枚も何枚も渡辺を蹂躙するような写真が入っていてご丁寧にフォルダまで作られていた。


「佐倉先生...うちとしてもおおごとにはしたくないんですよ。しかし、彼女のご両親はうちの学校に多額の寄付をしてくださっているんです...警察に言うつもりはなかったんですが彼女は、警察に言うと聞かないもので...」


「け...警察?冤罪です!俺は何もやってません!」


その後ろで教頭先生がどこかに電話をかけているのが見えた。


「そんな...俺は本当に...」


「佐倉先生、しばらくここで待っていてください。警察に電話をしたので言い訳があれば警察にお話ください」


その場に座り込む俺を杉田先生 校長先生 教頭先生が見下すように見ていた。


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