第5話 持論を反故にした
もっといい道も見えたのに悪い方へ悪い方へ落ちていく。
昼寝も禁止。
夜は気が付けば悪夢ばかり見ていた。
昼間は暴言、罵倒、暴力、半殺し。
食事もごくわずか。
生きているのが不思議だった。
そうか、こんなところに人間の子供を送れないから
私は天界から来たのか、そうか。
でももう無理だと思う。
「天使様がいい、私も天使様がいい」そう言って泣いた。
わけが分からない幻覚に幻聴
それでも自分が天使だとは言ってはならないと思っていた。
恐怖におびえていた。
3つ首のケルビムも犯罪者の巣窟も助けてくれない人間も大嫌いだった。
この世を憎んで全てが大嫌いだった。
そんな自分にも怯えていた。
消滅させてください、あの者たちの魂を消滅させてください。
私は魂の消滅には反対だった、どんな者の魂も
生まれ変われる綺麗になれると思い込んでいたからだ。
さようなら。ここに於いては生まれ変われない、私は持論を捨てた。
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