第58話 GWのデート 結奈編

 


大変お待たせしました。

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 「これで最後か〜」


 「お待たせ、薫。ごめん、待たせちゃったわね」


 「ううん。全然待ってないよ」


最後、5人目はもちろんお姉ちゃんとである。


 「今日はどこ行くの?」


 「まぁ、そう慌てないで」


 「えっ、うん」


 「4人とのデート、どうだった?」


 「うん。みんな、楽しかったよ。それぞれ違ったけど、皆んなとっても優しくて、気遣ってくれた」


 「そう、、、。薫はさ、みんなのこと、好き?」


 「うん、好きだよ」


 「そっか。そうだよね」


 「お姉ちゃん?」


 「ううん。何でもないの。行きましょう」


何かお姉ちゃんは悲しんでいるように見えた。そして、何かを決意したようにも。


 


 「お姉ちゃん、こんな所でいいの?」


 「ここが良いのよ」


お姉ちゃんが選んだのは最寄駅の近くにある喫茶店だった。少し古びているが、それが味を感じさせる。


 「さっ、なんでも頼んで。今日は私の奢りよ!」


 「ええっ。そんなの悪いよ」


 「いいの。妹特権で奢られておきなさい」


 「じゃあ、このココアで」


 「私はブレンドコーヒーにするわ」


そうして注文を終え、座り心地の良いソファーに腰掛ける。


 「えへへ」


 「どうしたの?」


 「なんかお姉ちゃんらしいと思って」


 「あら、そう?」


 「うん。お姉ちゃんならこんな大人っぽい所が似合うから」


 「、、、そう」


 「ごめんね、お姉ちゃん。楽しくないよね」


 「ち、違うのよ!ちょっと、緊張しちゃって。勉強の疲れかしら」


明らかにいつものお姉ちゃんとは違った。それでも、飲み物が来てからはお姉ちゃんと二人仲良く、お喋りをして過ごした。




 「ねぇ。お姉ちゃん」


 「急にどうしたの?そんなに畏まって」


 「お姉ちゃん、何か悩んでるの?それとも、何か辛いことあった?」


 「そんなことないけど」


 「うそっ。お姉ちゃん、、、。嘘つかないで」


 「私はウソなんか」


 「ついてるよ。そのくらい分かるよ。姉妹だもん」


 「、、、、、。そうね、、、。ねぇ、薫。私のこと、好き?」


 「うん。好き」


 「私のこと、愛してる?」


 「うん、愛してる」


 「それって何番目?」


 「えっ」


 「最近、考えてしまうの。私は薫の何番目なんだろーって。私たちはかなり歪な関係だわ。ただでさえ、女同士なんだもの。それに加えて、薫と私は血の繋がった姉妹。そんな、外から見たら歪みに歪みきったこの関係はどう見えてるんだろーとか。薫にとって、私は何番目の女なんだろーって。っごめんね。勉強のストレスかしら。忘れて」


 「お姉ちゃんはいつも私を守ってくれたよね。小学校で女の子っていじめられてた時も。中学校でも。高校でも。それにTSしてからも。お姉ちゃんはいつも自分のことより私のことを優先してくれた。

 私はお姉ちゃんのことが好きだわ。愛してるわ。お姉ちゃんが私に愛をもって接してくれたように。私も、、、。確かに、この関係は外に言えないことかもしれない。胸を張って言えないかもしれない。それでも、私は言うわ。好きって。お姉ちゃんを愛してるって」


 「どうして?こんな関係は間違ってるわ!」


 「それでも!それでも私は愛してる!姉ではなく、結奈を。1人の女性として。あなたが愛してくれたように。私もそれだけあなたを愛してる。外の誰が言おうが、それは、それだけは譲らない!」


 「そんなの」


 「外が何?私たちは私たちなの。言いたいのなら、言わせておけばいいわ、そんな雑音。雑音なんて耳に入らないくらい、私は結奈、あなたを愛してる」


 「、、、、、」


 「でも、結奈だけじゃない。他の4人も私を愛してくれた。好きって言ってくれたの。これが結奈に対して失礼だってことも分かってる。1人に選ばないなんて、おかしいって。でも、私に向けてくれた分だけ、絶対に私はあなたに愛を向ける。絶対に」


 「薫、、、。成長したわね、薫。いつも、私の後ろにいたあなたが。こんなにも言うようになって」


 「それもお姉ちゃん、いいえ結奈のおかげよ」


 「私のこと、好き?」


 「うん」


 「私のこと、愛してる?」


 「うん。愛してる」


 「そっか、、、。私も」チュッ


2人は喫茶店の中ということも忘れて、お互いの唇を貪った。しかし、マスターは気を利かせたのか、しばらく戻ってこなかった。


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 すみません。大変お待たせしました。


 近況ノートに2月になったら再開すると書いておいて、すでに2月が終わろうとしてました。しかも、結構重要なターニングポイントを。


 今後、3月一杯は毎日投稿できるよう頑張るつもりではありますが、4月以降は分かりません。新年度なので多少忙しくなると思います。


 さて、全く話は変わりますが、明日明後日と国公立大学の2次試験ですね。私もまだ数年しか経っていませんが、懐かしいです。受験生の方は頑張って下さい。そんな私は試験当日に受験票を無くしました。そして、受験本部へ行き、仮受験票を発行してもらいました。結局、大学の最寄り駅に落としてたので、親切な方が拾って届けてくれたので、本物の受験票のまま試験を受けましたが。要するに、そんなハプニングがあっても、冷静に、そして落ち着いて行動すればなんとかなります。受験生の皆さん、頑張って下さい!

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