第57話 GWのデート 未来編
「やっと私の番ね!」
「お待たせ、未来ちゃん」
4人目のデートは未来ちゃんと。何をするんだろう?
「今日、どこ行くの?どこでも付き合うよ」
「今日はね、思い出巡りよ!」
「思い出巡り?」
「うん!私たちの思い出の地を巡るの。私もこっちに戻ってきて、色々バタバタしてて行けてなかったから」
「いいね!じゃあ行こっ」
自然と手を繋いで歩いていく。それは、まるであの頃に戻ったかのように。
「ねぇ、まずはどこ?」
「まずはねぇ。幼稚園だよ」
「懐かしいな〜。卒園してから一度も行ってないかも」
「そうなの?てっきり、結愛ちゃんのお迎えとかに行ってたと思ったのに」
「う〜ん。基本的に幼稚園の方が早く終わるし。結愛もあの時反抗期だったから」
「あの結愛ちゃんに反抗期なんてあったのね。ちょっと意外」
なんてことを話しているうちに着いた。所々、新しくなっているが、大まかには変わらない。
「「懐かし〜」」
「ほとんど変わってないね」
「あっ、あそこ!2人でよくおままごとしたよね」
「あ〜。そんなこともあったっけ」
そんなことを話しつつ、次の場所へ
「次は小学校?」
「せいか〜い」
「小学校も変わってないね〜」
「あっ、でもあんな遊具あったっけ?」
「あぁ、あれは私たちが6年生の時に出来たの。遊んでみる?」
「でも、いいのかな?」
「きっと大丈夫だよ。ほらっ、2人の思い出増やそ?」
「うんっ」
「意外と疲れたね」
「これが歳をとるってことなのよ、きっと」
「じゃあ、次の場所行く?」
「うん。次が最後の場所だよ」
「もういい時間になっちゃったね。どこ行くの?」
「次は私たちの1番の思い出の場所だよ」
「わぁ〜。懐かし〜」
「でしょ〜。ここで1番遊んだもんね」
「うん。でも、未来ちゃんが引っ越してからは行かなくなったの」
「そう、、、なんだ」
「うん、、、。ここは、、、2人の思い出だから、、、」
ここは近くの神社の森。よく2人きりで来ていた場所。未来ちゃんが引っ越してから、何か2人の思い出が汚されると思い、それからというもの、足が遠のいていた。
「そうね。ここは私たちだけの場所だったね」
「うん。だから、未来ちゃんが急に転校しちゃって、、、。寂しかったの、、、ひっぐ」
「うん。ごめんね、薫ちゃん。1人にしちゃって」
「ううん。でもね。また、、、2人で来れて良かった」
「薫ちゃん、、、。私もまた来れて良かった」
「、、、、、」
「、、、、、」
「おかえり、未来ちゃん」
「ただいま、薫ちゃん!」ギュー
「うぇーん。良かったよ〜。もう2度と会えないかと思った」ギュッ
「ほら、泣かないで。もう、どこにも行かないから」ギュッ
「ホント?」
「うん。ホント」
そうして、2人はようやく再会の挨拶ができたのだった。
「ねぇ、未来ちゃん。また、来ようね」
「うん。いっぱい来よう」
「ねぇ、、、。私のこと、好き?」
「うん。今も、昔も大好き」
「でも、もう男の子じゃないんだよ。昔の、未来ちゃんが知ってる小鳥遊薫じゃないんだよ」
「そんなの関係ないっ。薫ちゃんはいつだって優しくて、ずっと私の傍にいてくれる。それは変わらないっ」
「未来ちゃん、、、」
「薫ちゃん、、、」
もう、これ以上語るのは野暮だろう。だが、他の人とのデート同様、その情熱的な行動は2人の離れていた時間を埋めるには十分だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます