第53話 GWのデート 結愛編


 「お姉さま」


 「結愛、待った?」


 「いいえ、全然」


 「も〜。同じ家だから、一緒に出ればいいのに」


 「ダメです。今のやりとりがしたかったんです」


ついに迎えたGW。デートの初回は結愛と。


 「結愛、今日はどこに行くの?」


 「それは着いてからのお楽しみってやつですよ、お姉さま」


 「そうね。野暮なこと聞いちゃったわ」


 「じゃあ早速、レッツゴー!」


と駅に向かって歩き出した。




 「ねぇ、結愛。ここって」


 「そうです!浦安ネズミーランドです!」


 「すごい久しぶりね!あの時は3人ではしゃいでたっけ」


 「むぅ。お姉さま。デート中に他の女のこと、思わないでください」


 「あっ、ごめんね。つい」


 「まぁ、いいです。じゃあ、まずはあれから行きましょう!」


と結愛に連れられて歩き出した私。でも、


 「待って、結愛」


 「?どうかしました?お姉さま」


 「そのお姉さまって呼ぶの、今日は無しにして」


 「ええっ。そんな」


 「今日はデートでしょ。ちゃんと薫ちゃんって呼んで」


 「は、はい。おねえ、じゃなかった。か、薫ちゃん」


 「うんっ。よく出来ました!」ナデナデ


 「おねえ、薫ちゃん、恥ずかしいです」


 「はい、ストップ。敬語もなし」


 「う。わ、分かったよ、薫ちゃん」


 「うんっ。じゃあ、行こっ!」


と今度は結愛を引っ張る私。


 「「キャー」」


 「あはは。すごい髪の毛」


と楽しむ私たち。そんな時に、


 「ねぇ、お姉さんたち、二人だけ?俺たちと一緒に回らない?」


 「いえ、結構です。行こ、結愛」


 「おい、つれねぇなぁ。少しぐらいいいじゃんか」


 「離して」


 「俺たちがいた方が楽しいって。絶対。なっ?」


 「そうだぜ。なんなら、その後も楽しくしてやるよ」


 「触れるな、、、」


 「えっ、何?やっと来てくれる決心ついた?」


 「私の愛しい人に触れるな!」


 「おいおい、お前ら女同士だろ」


 「だから何?あなた達のような猿にお姉さまを触る資格なんてない!触れるな!」


 「おい、なんだよ。あんま調子に乗んなよ。女二人なんて楽勝だぜ」


 「少し痛い目見せりゃ、ついてくるだろ」


(以下略、暴力シーンが流れます)


 「お姉さま、警察か従業員を呼んできてください」


 「もう、呼んでるわ」


 「ええっと、何事ですかね」


 「こいつらが私たちにナンパして、失敗した腹いせに殴りかかってきました」


 「私、映像撮っていたので。これが証拠です」


 「ええっと、はい。ご迷惑をおかけしました。少し、来ていただいてもよろしいですか?」


 「「分かりました」」


 


 「ご協力ありがとうございました。こちら、食事ができるチケットです。よろしければ、お使い下さい」


 「いえいえ、ありがとうございます」




 「ごめんなさい、お姉さま。時間を取られてしまって」


 「いいの。それより結愛、怪我してない?」


 「はい、大丈夫です」


 「あと、口調戻ってるわよ」


 「あっ、つい」


 「でもね。守ってくれてありがとう。すごくカッコよかったよ」(囁き)


 「おねぇ、、、。、、、薫ちゃん、、、好き」チュッ


 「私も」チュッ


どうやら、2人のデートは情熱的に終わったのだろう。しかし、2人とも、後悔などなかった。

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