第54話 GWのデート 澪編


 「はぁ〜あ。疲れた〜」


 「お疲れ様です。み〜おさんっ」


 「ありがとう、薫ちゃん。ごめんね、少し待たせちゃって」


 「いえいえ。受験生ですから、仕方ないですよ。それに待ったと言っても15分くらいですから」


今日、2人目のデートを迎える。相手は澪。


 「うん。ありがとう。それで今日なんだけど、ショッピングに行こうと思ってね」


 「いいですね。そろそろ夏物が欲しいですし」


 「今日はいっぱい買って、休んで、美味しいものを食べる。ストレス解消デー!じゃあ行こっか」


 「あの、、、澪さん。その前に1ついいですか?」


 「な〜に?何かあったの?」


 「えっと、、、。今日だけ呼び捨てでもいいですか?あと、敬語もなしで」


 「いいけど、急にどうしたの?」


 「そっちの方が彼女っぽいかなって。えへへ」


 ズキューン

 「もちろん!今日だけじゃなくて、今後ずっとね!」


 「うんっ」


 「じゃあ行こっか」

 


電車内


 「ねぇ、薫ちゃん。結愛ちゃんとキスしたって本当?」


 「ふぇっ、どうしてそれを」


 「私たち、デートをするたびに報告しあうことにしたの。抜け駆けしないためにね」


 「抜け駆けって、、、」


 「その先はしてないの?」


 「し、し、し、してないですよ!?」


 「そ〜お。じゃあキスまでかしら」


 「ふぇぇぇ」


 「あら、顔真っ赤よ」





 「ふぅ。結構遠かったわね」


 「まずは何から行く?」


 「う〜ん。服から見よっか。ちょっとお昼には早いし」


 「そうね!」


 「ちゃんと私をコーディネートしてね」


 「えっ、コーディネートするの?私が?」


 「あら、そうよ。だって、好きな人の好きな服を着ていたいじゃない?」


 「えぇ。責任重大だよ」


 「私もコーディネートするわ!」


と夏服を見始めた私たち。そこは女子の集まり。あっという間に時間とお金が消費されたのであった。


 「えへへ。どう?似合ってる?」


 「えぇ、とっても似合ってるわよ、薫ちゃん」


 「そ〜お?えへへ」


 「ねぇ、薫ちゃん。何かお揃いのもの買わない?」


 「いいね!でも、あんまりお金ないよ?」


 「じゃあアクセとかどう?あんまり高くないやつ」


 「うんっ。いいよ」


そうして、お揃いのブレスレットを購入した私たち。付け合って顔を見合わせ、笑い合うのでした。




そして、


 「薫ちゃん、今日はありがとう。とっても楽しかったわ。ストレスも解消できたし」


 「本当ですか?それなら良かった。それに私も楽しかった!」


 「うん。これでまた勉強を頑張れそうよ」


 「私は嫌ですからね。澪と同じ学年で進学するなんて」


 「あら、それもいいわね。同級生なら接触も多いだろうし」


 「もうっ、そんなの嫌です!先に待っててくれないと、、、ヤダよ」


 「薫ちゃん、、、。えぇ、きっと待ってるわ、あなたが来るのを」チュッ


 「澪、好き」チュ


 「薫、愛してるわ」


こうして、姉の親友だった澪とのデートも情熱的に終わった。そして、先に行って待つとの約束も残して。


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