第51話 席替えは阿鼻叫喚!?


 「それじゃあ、今日は席替えね。目が悪かったりして、前の席がいい人は先に言ってね。」


と、2年生最初の席替えが始まろうとしていた。


 「よっしゃぁぁぁぁぁぁ。絶対小鳥遊(さん)の近くへ行くぞ〜」


 「そ、そんな。折角小鳥遊(さん)の近くだったのに」


と、二分されたクラスメイト達の反応。私としてはやっぱり、前よりは後ろの席がいい。


 「薫ちゃん。前に来なくていいの?」


 「えっ。別に私、目悪くないですよ」


 「でも、前だと色々と便利よ!それに、意外と前の方が先生たち見てないから!」


 「おいっ、この先生、なんとか小鳥遊さんを前の席にしようとしてるぞ!」


 「えっ、えっ、そ、そ、そ、そんなことしないし?私は教師だから?生徒の健康状態を把握する義務があるのよ?だから、前の席を薦めただけで」


 「この先生。めっちゃ動揺してるぞ!さては不正しようとしてるな!?みんな、見張ろう!」


 「ふ、ふ、ふ、不正なんて、教師の私がする訳ないでしょ!?とりあえず、くじをひいてって。番号は窓際の前から1番ね!」


 「あかん、この先生。さっきから、目ぇ逸らしてるぞ。本気で不正するつもりやったんとちゃう?」


 「みんな!まだ油断はできないわ!小鳥遊さんがくじを引くまで見張り続けるわよ」


とかなんとか。私の中で橘先生の信頼が1下がった。



 「やったー!薫ちゃんの隣だー!」


そう雄叫びを上げるのは幼馴染の未来。


 「よろしくね、未来ちゃん」ニコッ


 「グハッ」


 「ヤバい。1人が重症」


 「いや、まだ傷は浅いわ!」


と私がよくわからない単語を並べるクラスメイト。未来はなぜか幸せそうな顔をしていた。幸せならいっか!


 「な、なんてこと。私のくじ運が、、、」


 「oh jesus. 神は我を見放したか!?」


と口にするクラスメイト。そんなに嫌な席だったの!?でも、あそこは窓側の1番後ろ。私が1番狙ってた席なのに。対する私は、1番廊下側の4列目という微妙な位置。そして、


 「あぁ。薫さんが。薫さんが」


とこの世の終わりみたいな顔で呟いている元婚約者の勅使河原凛ちゃん。凛ちゃんは勅使河原と小鳥遊だから、最初の席はとても近かった。しかし、今では1番窓側と1番廊下側。1番離れてしまった。

 そういう訳で、私は廊下側4列目。隣に未来ちゃん。前にはクラス委員の三枝さん。後ろはいつも私の匂いを嗅いでいる子となりました。あっ、お姉ちゃんたちにも伝えないと。伝えなかったら後が怖いし。



(おまけ)


某高校生

(これで薫ちゃんの匂いがいつでも嗅ぎ放題だわ!おぉ、神よ。感謝します)


連絡しなかった場合の姉たちがどうなるかはご想像にお任せします。

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