第48話 学校で愛を叫ぶ!


 「何言ってるの?薫を幸せにできるのは私しかいないわ!」


 「結奈ねぇこそ、何言ってるの?お姉さまは私が幸せにするんだから!」


 「あなたたち姉妹は馬鹿なの?家族は結婚できないの!ここは幼馴染よね!」


 「いいえ、薫さんは私が幸せにします。家族のあなたたちは結婚できず、幼馴染は負けヒロインなのよ。私しかいないわ!」


もう、収拾つかない。喧嘩してるのか、プロポーズしてるのかどっちなの、これ?仕方ない。先生たちを呼ぼう。


 「「「「あっ、薫(お姉さま)(薫ちゃん)(薫さん)。どこ行くの?」」」」


すかさず、逃げる。早く応援を呼ばないと。そう思って、普段走らない廊下を全力で走る。


 「失礼します!ぜぇーぜぇー。橘先生!助けて下さい!」


 「薫ちゃん!?一体どうしたの?」


 「それが、、、ぜーはー」


 「ちょっと薫ちゃん?廊下は走ったら「めっ」だよ」


 「ごめんなさい、先生。でも、こうするしかなかったんです!」


 「えぇっ。いったいなにが」


 「「「「み〜つけたっ」」」」


 「キャー」


 「こら、貴方達。何やってるのよ、全く」


かくかくしかじか


 「薫ちゃん」


 「はいっ、橘先生。助けて貰えますよね?」


 「私と結婚しよ!」


 「なんでですか!?そういう流れじゃないでしょ!」


 「私も薫ちゃんと結婚したいもの。ダメ?」


 「そんなウルウルした目で見ないで下さい!」


 「何をやってるんですか、橘先生?」


 「きょ、教頭先生。いえ、、、これは、、、ですね。私のクラスの生徒を保護しようとですね、、、思いまして、、、」


 「私が何も聞いていなかったとでも?」


 「ごめんなさ〜い」


 「後で私の部屋に来なさい」


 「そ、それだけはご勘弁を。何卒、お慈悲を」


 「前にも注意しましたよね」


橘先生に頼ったのは間違いだった。普段は生徒に温厚な態度で接する教頭先生が怒っている。


 「さぁ、薫。私と結婚しましょう」


 「お姉さま。私を選んでくれますよね」


 「幼馴染の私よね、薫ちゃん」


 「私をお選び下さい、薫さん」


 「ど、、、」


 「「「「ど?」」」」


 「どうしてこうなった〜」


もう、定番中の定番のコメントしか出せなかった僕はこの4人から逃げ切ろうとしたのだが、、、。


 「待って、薫!私と結婚して」


 「お姉さま。私ですよね」


 「薫ちゃん。私でしょ」


 「薫さん、私を選んで下さい」


と学校内でこう言いながら4人が追いかけてきたため、学校中でプロポーズされていることが知られてしまった。そして、翌日にはこの4人に加え、他の人、しかも女子だけ、も次々と告白してきた。あまりに騒がしくしてしまったため、先生たちには怒られ、反省文まで書かされてしまった。


 「これが愛の共同作業ね!」


 「馬鹿なこと言ってないで、反省して!」


はぁ。




 投稿が遅くなり、申し訳ありません。

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