第47話 4人からのプロポーズ
「そんなの、あなたと結婚したかったからに決まってるじゃないですか。それ以外の理由がおありだと?」
衝撃のカミングアウトだった。
「でも、僕と会ったこともないよね。なんで、結婚なんか、、、」
「それは、、、私があなたに一目惚れしたからです!パパが持ってきた婚約者候補の資料にあなたがいたんです。その写真を見て、一目惚れしました!なのに、パパが先方から断られたって。しかも、相手の父親は社長じゃなかったからって勝手に無かったことにしたんですよ!酷いと思いません?」
「いや、、、。そんなこと、僕に言われても」
「それでも諦めきれなかった私は私のお世話係に頼んで、あなたの情報を集めました。正直、この学校に来て、あなたが女の子って知った時は驚きましたが。でも、同性愛に寛容な国もありますし、いいかなって思って」
「自分の望みのために、嘘をついたと」
「ええ、そうです。正直、嘘をついた瞬間は賭けでした。こんなにも可愛らしい娘に彼氏や彼女、それに婚約者がいるのではないかと。しかし、今までバレなかったということは意中の方はいらっしゃらないんですよね?だったら、私と結婚して下さい!」
「ええっ」
「ダメよ。というか、黙って聞いていれば、好き勝手言ってくれるじゃない。騙しておきながら、結婚してですって。ふざけんじゃないわよ!薫と結婚するのは私だから」
「いいえ、違います。あなたに対する意見は結奈ねぇと同意見ですが、お姉さまと結婚するのはこの私です」
「何言ってるの?家族が結婚できるわけないじゃない。薫ちゃんと結婚するのはこの私よ。幼馴染だし?私が1番お似合いよね!」
「「「いや、幼馴染は負けヒロインでしょ」」」
「そんなことないもん!」
「ええっと、みんな、、、その、、、僕と結婚したいの?」
「「「「当たり前でしょ」」」」
「ええっ。僕、女の子だよっ。同性だよっ。結婚なんて」
「いいえ、薫。今は同性愛が認められつつあるのよ。良かったわ、便利な世の中になって」
「そうです。お姉さまと結婚できる世の中になって本当によかったです。さぁ、お姉さま。私を選んで下さい。必ず、幸せにします」
「何言ってるの、この姉妹。たとえ、同性愛が認められても、家族で結婚できるわけないじゃない。その点、私は幼馴染で、薫ちゃんのこともよく知ってるし、お義母さんとも仲良いし。結婚相手として最適よね!」
「いいえ、薫さんは私と結婚します。私の家は裕福ですから、薫さんを苦労させることはないですし。薫さんは何もしなくていいですわ。ただ、私を愛してくだされば」
なんか、4人からプロポーズされてるんだけど!?
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