男の娘がTSした！あれ、みんな反応薄くない⁉︎

第44話 家族分裂！？

　ｶﾞﾁｬ

　「ただいま〜」

　「あっ、帰ってきたわ！」

　「あれっ、薫以外が出迎えてくれるなんて！」

　「ちょっと、あなた。お話があります」

　「ええっ。何だい、藪から棒に」

　「いいから来て」

ただならぬ雰囲気に察した父。薫以外の出迎えという天国から地獄へとご案内される。

　「ちょっと、あなた。薫に婚約者がいるの？」

　「はっ？なんのこと？」

　「「「惚けないで！！！！！」」」

　「ちょっと、みんな」

　「えっ、いや、本当に何のこと？僕、知らないんだけど」

　「馬鹿なこと言わないで！今日、薫が学校に行ったら、婚約者を名乗る子が来たって言ってるの！」

　「ええっ。本当かい、薫？」

　「う、うん。本当だよ」

　「あなた、何か知ってるの？返答次第では離婚だわ！」

　「ええっ。本当に何も知らないんだ！ちょっと、詳しく教えてくれ」

　「今日、学校に行ったら、急に婚約者って言ってる子が来たんだ」

　「ええっと、名前か何かは分かるかい？」

　「たしか、勅使河原さんだよ。勅使河原凛さん」

　「てしがわら、、、？ああっ、勅使河原さんか！確かに、僕が経営陣に入ってすぐにそういう話があったけど、すぐに断ったよ。先方からも話は無かったことにしてくれって言われたし、すぐに断ったから。でも、なんで今更？」

　「それが分からないから、あなたに聞いてるんでしょ！本当に断ったんでしょうね！」

　「本当だって！そもそも、その話が来た時は薫も男の子だった。相手の子は女の子だろ？そうだろ、薫？」

　「う、うん。そうだけど」

　「じゃあなんで今更、そんなこと言ってくるの？お父さんがちゃんと断らなかったんじゃないの？」

　「そんなことするわけないだろ！ちゃんと断ったし、先方からも無かったことにって言われた！なんで信じてくれないんだ！」

　「ちょっと、みんな！落ち着いて！」

　「ちょっと、あなた。しばらく別居しましょう」

　「なんでそうなるんだ！断ったって言ってるだろ！」

　「それが信じられないから、言ってるの！私は子供たちを守らなきゃいけないの！断ったって証明してから帰ってきて！」

　「なんで信じてくれないんだ！もういい！分かった！」

　「ちょっと、2人とも。冷静に」

　「こんなにも家族が信用してくれないとは思わなかった！だけど、僕は断ったからな！絶対だ！」

　「それなら、そう証明してちょうだい！」

　「ちょ、ちょっと2人とも」

　「じゃあな！だが、後悔するのはそっちだぞ！」

　「後悔なんてしないわ！私は死んでも子供たちを守る！」

　ｶﾞﾁｬﾝ

そうして、僕らの父は家を出て行きました。