第39話 嵐の前の静けさ!?


 「新入生代表、小鳥遊結愛」


パチパチパチパチパチ


 「結愛のスピーチ、すごく良かったね、ママ」


 「そうね。あとでいっぱい褒めてあげましょ」


 「うん。すごく頑張ってたもんね」




 「それでは、以上をもちまして、入学式を閉会致します。新入生が退場致しますので、どうぞ拍手でお見送り下さい」


パチパチパチパチパチ




 「ねぇ、ママ。この後どうするの?」


 「この後は結愛を待って、一緒に車に行きましょう。それで、車でお姉ちゃんを待って、お姉ちゃんが来たら帰るとしましょう」


 「うん。そうだね」


 「今日の夕食はご馳走よ、薫。パパが帰ってきたら、みんなでお寿司を食べに行くの」


 「やった〜。結愛もお姉ちゃんもすごく頑張ってたし。いっぱいお祝いしないとね!」


 「なんて優しい娘なの、薫は!ママは感動したわ!ギュー」


 「わっ。ちょっとママ!?人前だからやめて!」


 



 「結愛、遅いわね」


 「どうしたんだろ。何かあったのかな」


 「お〜い。お母さん、薫」


 「あら、結奈の方が早かったわ」


 「どうしたの?」


 「結愛がまだ来ないのよ。何かあったのかしらと思って」


 「ええっ。もうとっくに下校してるはずよ」


 「お姉さま〜」


 「あっ、来たわ」


 「お姉さま〜。ギュー」


 「どうしたの、結愛?すごい遅かったけど」


 「あぁ。有象無象が連絡先を聞いてきて。本当、鬱陶しかったわ」


どうやら、僕の妹はすごいモテるようだ。


 「それで大丈夫なの?」


 「うん。もう、教えないって言ってるのに、なんで一人一人聞きにくるの?誰に聞かれても教えるわけないじゃない!」


 「結愛、よしよし。今日のスピーチ、すごい良かったよ」


 「本当ですか、お姉さま!?」


 「う、うん。本当だよ。すごい良かったわ」


 「ねぇ、薫。私のスピーチは?どうだった?」


 「うん。お姉ちゃんのもすごい良かったよ。さすが、お姉ちゃんって思った」


 「そうよね!?」


 「はいはい、3人とも。話してるとこ悪いけど、車に行くわよ」


 「「「は〜い」」」


という訳で、入学式は無事?終わり、姉妹3人、高校生になりました。




(おまけ)


 「それでは、これでホームルームを終わります。これから1年間、一緒に頑張っていきましょう。皆さん、さようなら」


 ガヤガヤ


 「あの〜、小鳥遊さん。何かSNSやってる?交換したいんだけど」


 「いえ、結構です」


 「あっ、ずるいぞ、お前。小鳥遊さん、僕とも交換して」


 「私は誰とも連絡先を交換しません」


 「じゃあ、僕としようよ」


 「ですから、誰ともしません」


 「俺と交換しようぜ」


 「だから、しません」


エトセトラエトセトラ


 「だから、誰とも交換しないって言ってるでしょ!!いい加減にして!!」


 高校初日から、結愛は災難でした。


(もう、早くお姉さまと合流したいのに。あいつら、絶対許さない)


 高校初日から、結愛と同じクラスの男子たちは早速、敵認定を受けたのだった。


 


 「あれっ、結奈?どこ行った?薫ちゃんに会いたいのに」


澪は結奈に置いてかれたのだった。

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