第40話 いよいよ2年生だ!



 「「それじゃあ、行ってきます」」


 「は〜い。気をつけていってらっしゃい」


 「お姉さま、結愛も一緒に」


 「結愛は今日、休みでしょ。明日から一緒に登校できるから、我慢して」


 「うう。お姉さま、約束ですよ」


 「うん、約束」


入学式の翌日、僕とお姉ちゃんは始業式となった。


 「なんか、全然緊張しない。昨日行ったからかな?」


 「そうね。昨日も行ったし、担任が誰かも分かってるから、ちょっとワクワク不足って感じなんじゃない?」


 「う〜ん。そうかも」


そうして、僕たち姉妹は登校初日を迎えたのだった。




 「かおる〜。何組だった?」


 「今年は1組だったよ」


 「あら、生徒会室から1番近い教室じゃない。良かったわ」


 「それじゃあお姉ちゃん。またね」


 「そんなに早く行かなくてもいいじゃない?もう少しお姉ちゃんと一緒にいましょ」


 「えっ、でももうすぐ予鈴鳴るよ?」


 「あっ、本当だ。いい、薫。嫌なことがあったら、生徒会室に逃げ込むのよ。それか、私の教室に来て。3年2組だから」


 「うん、分かったから。早く行かないと」


 「あぁ、薫と離れ離れなんて。放課後は迎えに行くからね」


と、相変わらず過保護を通り越しているお姉ちゃんと別れ、新たなクラスへと向かった。



 ガラガラ


 「あっ、薫ちゃんだ〜。やった〜。薫ちゃんとまた同じクラスだ〜」


 「よっしゃあ。また薫ちゃんの匂いを嗅げる」


 「この娘が薫ちゃん?可愛すぎか!」


と口にする女子の方々。そして、


 「あっ、薫くん、じゃなかった。薫ちゃん、おはよう」


 「あっ、未来ちゃんだ〜。おはよう。同じクラスだったんだね」


 「えっと、薫ちゃん?この子、わたしたち知らないんだけど、知り合い?」


 「あっ、この子は松岡未来ちゃん。僕の幼馴染なんだ〜」


 「「「「「「ええええええええっ」」」」」」


 「松岡未来です。今年からこの学校なんだ〜。みんな、よろしくね」


 「くっ、幼馴染ポジションが埋まってたなんて」


 「薫ちゃん、幼馴染いたんだ」


 「強敵あらわる」



 ガラガラガラ


 「皆さん、ごきげんよう」


 「なんかすごい人来た〜」


テクテクテク

バン


 「あなたが小鳥遊薫さん?」


 「う、うん。そうだけど」


 「そう。やっぱり写真通りね」


 「えっと、どちら様?」


 「私は勅使河原凛。あなたの婚約者よ」


 「えっ」


「「「「「「「ええええええええっ」」」」」」」


 「薫ちゃん、婚約者いたの?」


 「薫ちゃんの婚約者!?」


 「なんてこと、婚約者ポジションまで」


 「というか、女の子が婚約者なの?」


 「えぇっ。どういうこと!?僕、婚約者なんて知らないよ!」


2年生は初日から波乱の展開みたいだ。






勅使河原凛(てしがわらりん)

新たな人物が登場しました!はてさて、どうなることやら、、、。

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