第37話 春はあけぼの(ここでのあけぼのは始まりの隠喩表現)


 「お姉さま〜。見てください」


 「うん。可愛いよ、結愛」


 「えへへ〜。お姉さま〜」


という訳で、今日は結愛の入学式です。


 「じゃあ、私は先に行くから。お母さん、薫と結愛をお願いね」


 「は〜い。結奈もスピーチ頑張ってね」


 「お姉ちゃん、頑張って!」


 「お姉ちゃん。薫がハグしてくれたら、頑張れそうなの。だから、薫。ハグして」


 「えぇ〜」


 「早く〜。もう時間がないわ」


 「分かったよ。ギュー。はい、これでいい?」


 「あぁ。幸せ」


 「結奈、早く行かないと遅刻するわよ」


 「はい。じゃあ、行ってきます」


 「「「いってらっしゃ〜い」」」


生徒会の仕事のため、お姉ちゃんは先に登校。僕たちはもう少し後から出発する。





 「結愛。スピーチは大丈夫なの?」


 「うん。何回も練習したし、もう慣れっこだし」


そう、結愛は中学校では生徒会長をしていた。だから、スピーチはお手のものなのだ。


 「優秀な妹を持って、お姉ちゃんは鼻が高いわ」


 「えへへ。お姉さまのためなら、結愛はなんでも頑張れます」


 「そ〜お?でも、無理はしちゃダメだよ?」


 「私も優しいお姉さまを持って、鼻が高いです」


 「えへへ、ありがとっ」ニコッ


 「グハッ」


 「薫も結愛も準備万端?私も急がなきゃ」

 

 「まだ時間あるよ、ママ。しかも、近くまで車なんでしょ?」


 「それはそうだけど、正門で写真を撮りたいじゃない?」


 「あぁ、去年も撮ったっけ。すごい混んでたもんね」


(それは薫がメンズの制服を着ていたから、みんな寄ってきてただけなんだけど。まぁいいか)


 「そうね。しかも、結愛は他の子より早めに集合だし」


 「少し早いけど、準備出来てるなら行きましょうか。車に行きましょ」


 「「は〜い」」




 「結愛、何組だった?」


 「ええっと、3組だった」


 「じゃあ、3組の担任が葵先生なんだ。去年、僕が使ってた教室だね」


 「は〜い。2人とも、行くわよ」


 「「うん」」


 「結愛は職員室だっけ?」


 「そう。最後の打ち合わせがあるんだ〜」


 「じゃあ、私たちも行きましょうか」


 「そうだね。おめかしした葵先生も見たいし」


 「じゃあ、職員室にレッツゴー」





(おまけ)


 「薫ちゃんはあなたに譲るけど、私のクラスには薫ちゃんの妹がいるわ」


 「だから何?私は薫ちゃん本人の担任だもの」


 「くっ。私だって、今年も薫ちゃんのクラスの体育担当だもん。薫ちゃんとストレッチしたり、運動してる薫ちゃんを間近で見られるわ」


 「ぐぬぬ。そんなこと言ったら、私だって薫ちゃんの勉強してる姿とか、ちょっと眠くなってウトウトしてる薫ちゃんが見られるもの」


 「あの〜。2人とも。そろそろ生徒たちが来るんだけど、、、」


 「「ちょっと黙ってて下さい」」


 「あっ、はい」





 どうも、皆さま。作者のAhmedです。


 突然ですが、タグを一つ変更しました。あまり目にすることも少ないかも知れませんが、今後の展開的に変えた方がいいと思いました。


 今後も本作品をよろしくお願いします。

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