第28話 春休みだよ、全員集合!(休みでも波乱は起きるようです) 温泉編前編



 春休みが始まって1週間。長期休みにしては少なめの課題を片付けたお姉ちゃんと僕、そして進学のため宿題がない結愛は遊びに遊んでいた。お姉ちゃんは流石にいつも遊んでいる訳ではないらしく、勉強しながら息抜きに遊んでいた。そして、


 「「「着いた〜!」」」


 「こ〜ら、はしゃがないの。あなた、ホテルはどっち」


 「ええっと、こっちみたいだ」


という訳で、計画していた家族旅行!結局、僕の意見と結愛の意見が採用されて、熱海温泉が旅行先になった。


 


ホテル

 「それでは、こちらとこちのお部屋になります。お部屋にも露天風呂がついておりますので、是非ご利用下さい。夕食の時間はいかがなさいますか?」


 「そうねぇ。午後7時でいいかしら?」


 「「「うん!」」」


 「では、午後7時に夕食をお持ち致します。どうぞ、ごゆっくり」


 「ありがとうございます」


早速、ホテルに着いた僕たち。部屋に露天風呂までついていて、はしゃいでいたのだが、、、一つ問題が。予約したホテルの部屋は2部屋。そう、部屋割りだ。


 「部屋割りなんだけど、私・結奈・薫・結愛が1部屋、あなたが1部屋でいいわよね」


 「ええっ。僕一人なのかい。こんなに広いのに」


 「前みたいに薫と同じ部屋にする訳にもいかないでしょ。まさか、一緒がいいなんて言わないわよね」

 

 「あっ、はい」


ママの「ゴゴゴ」と聞こえそうな威圧感に屈するお父さん。どうやら、我が家の父は未だに最弱のようです。


 「でも、なんか可哀想じゃない?こんなに部屋が広いのに1人って。前は僕が一緒だったし、今回m」


 「ダメよ。穢らわしい。それにこんなに部屋が広いなら、4人1部屋でもいいじゃない。十分すぎる広さだわ」


 「ええっ。グスン」


以前の旅行で男女別で別れていた部屋割り。それは今回も適用されるみたいだ。にしても、愛する妻にここまで言われる夫がいただろうか。


 「今回は絶対薫も同じ部屋よ。これは決定事項だわ」


 「結奈ねぇの言う通りです。お姉さまと一緒に寝たいです」


という訳で、女性4人・男性1人という部屋割り内容になった。その夜、父の啜り泣く声が聞こえたとか、、、。


 「ちくしょー。こうなったらやけ酒だ!」


 「あ・な・た。お酒の飲みすぎはダメよ」


 「あっ、はい」

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