第23話 反撃開始




 薫が誹謗中傷を受けて1日が経った。薫は学校を休むことに決め、他の家族を送り出す。


 「いってらっしゃい」


その言葉を笑顔で言う。そんな薫らしさで送り出した。



その日の昼休み。薫ちゃんを守ろう委員会は再び集まっていた。しかし、前回と違い、空気が重い。


 「私の最愛の妹、薫が何者かに誹謗中傷を受けました。皆さん知っての通り、今日も学校を休んでいます。私は犯人を絶対に許すことはできません。必ず捕まえ、後悔させてやる。私はそう誓いました」


 「皆さんも受け止め方は人それぞれでしょう。しかし、ここに集まった人たちは犯人を許すことなどできない人たちだと私は信じています。必ず、犯人を捕まえ、薫が安心して学校生活が送れるようにしたい。私の願いはただそれ一つです。それには皆さんの協力が必要です。皆さん、どうか力を貸して下さい。お願いします」


 「我々は薫ちゃんを守ることができなかった。でも、それで諦めることなんてできない。今まで薫ちゃんに救われたからこそ、今度は私たちが救う番よ。薫ちゃんがまた学校に来てくれるように、その環境を整えることこそ私たちの使命」


 「そうよ」

 「橘先生の言う通りだわ」

 「絶対に犯人を捕まえましょう」


口々に決意表明をしていく薫ちゃん守ろう委員たち。


 「では、まず起こった経緯から始めましょう。薫のクラスで早めに登校している子はいるかしら」


 「はい。私は比較的早いです。でも、私が来た時にはもう紙が下駄箱にありました。紙だったので、いつものラブレターかと思い、スルーしてしまいました」


 「それは仕方ないわ。犯人もそれを想定していたのよ。外から見たらラブレターにしか見えない。でも、本人には確実に届く方法。それがアレだった」


 「そうね。今回はかなり悪質だわ。手段も言葉も。職員会議でも議題になったけど、見回りを増やすくらいしか出来ないの」


 「私には策があります。しかし、それはかなりギリギリの方法です。先生方には話せない方法です。それでも、私はやりたい。最愛の妹のために」


 「・・・・・。生徒会長がそれでもいいの?即失職するかもしれないわ」


 「それでも私はやりたい。私にとって、生徒会長なんて本当はどうでもいいんです。生徒会長になれば、薫が過ごしやすい学校になると思ってなったんです。私は薫さえ幸せであればいいんです」


 「・・・・・。分かったわ。これは聞かなかったことにする。でも、いざという時は弁護してあげるから」


 「ありがとうございます。橘先生」


 「いいえ。私も守れなかったもの、守るべき生徒を。でも、まだ終わってないわ。それに私は誓ったもの。教師人生を賭けて守ると」


 「それでは解散しましょう。今日の話はみんな聞かなかったことにしてください。罪を被るのは私だけで十分だわ」


 「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」



 「薫。お姉ちゃん、頑張るからね」

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