第18話 家は家で大変でした!?



 「お母さん、早く出して」


 「分かったわ」


とスパイ映画並みのセリフを言う僕の姉と母。


 「今日はどうだったの?」


 「まずいわ、お母さん。危険が迫っている」


 「ええっ。危険なの?」


 「あぁ、そ、そうじゃないのよ。ごめんね。薫に心配かけちゃって」


 「えっと、危険じゃないならいいんだけど」


 「大丈夫よ、薫。ママは薫を守るから」


 「いや、守ってくれるのは嬉しいけど、2人が怪我するとかヤダよ」


 「なんて優しい娘なの。ママは今日、薫の大好物、作っちゃうわ」


 「えぇ、ホント?ヤッター!」


そんな話をしてたら、家に着いた。


 「ただいm、ゴフッ」


 「おかえりなさい。お姉さま。ご無事で何よりです」スリスリ


 「うん、結愛。今、無事じゃないよ」スリスリ

  

 「こら、結愛。お姉ちゃんを傷つけちゃダメでしょ」スリスリ


 「そうよ、結愛。いつも飛び込んでくるのはやめなさいって言ってるでしょ」スリスリ


 「だって、結愛はお姉さまが心配で」スリスリ


 「大丈夫だよ、結愛。心配してくれてありがとう。あと、離れて」スリスリ


 「お姉さまに感謝されちゃいました。あっ、ママ、結奈ねぇ、おかえり〜」


 「はいはい、ただいま。もっと早く言ってほしかったわ」


 「全くね。さぁ、玄関にいつまでもいないで、おうちに入るわよ。あぁ、結奈。後で来てちょうだい」


 「分かったわ。結愛もいた方がいいかな」


 「うーん。結愛は受験勉強もあるし、かおる〜。結愛の勉強見てあげて」


 「はーい」


 「やったー!お姉さまと勉強」





小鳥遊家リビング


 「それで結奈。何があったの?」


 「それが朝、薫の下駄箱にラブレターの束があったの」


 「それは一大事だわ!なんてこと。私の娘にちょっかいかけるなんて」


 「それで、昼休みに先生たちと薫のクラスの子に協力を仰いだわ。放課後に行ったところ、みんな上手くやってくれているみたい」


 「それならいいんだけど。だけど、気を抜いちゃダメよ。猿は一日中狙っているわ」


 「当然よ。この私がそんなヘマしないわ」


 「だけど、先生たちも味方なのはいいわね」


 「えぇ。最悪の事態が起きた場合、薫を保健室に避難させるわ。そして、鍵をかけて籠城よ」


 「とりあえず、結奈。薫を頼むわ」


 「うん。頼れるお姉ちゃんだから、私は」


その頃、薫の部屋では、


 「クンクンクンクンス〜ハ〜ス〜ハ〜。あぁ、生き返る」


 「ちょっと、結愛!?匂い嗅ぐのやめて!」


と、薫の悲鳴があがっていたのでした。

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