第15話 薫ちゃんを守ろう委員会vs男子 中編
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
昼休み。会議室には錚々たる面々が集まっていた。手が空いている女性の先生たち、生徒会長、そして、薫のクラスの女子たち。全員が全員、ある崇高な目的のため、集まっていた。
「皆さん、お集まり頂きありがとうございます。今回、私の最愛の妹、薫を守るため、この会を開くことにしました。題して、薫ちゃんを守ろう委員会」
パチパチパチパチ
「では、皆さん。早速、始めたいと思います」
「すみません。その前に一ついいですか?」
「はい、何でしょう?」
「この会議をしている今、薫ちゃんの身は安全なのでしょうか?」
「それに関しては心配いらないわ。生徒会室で保護しているし、私の親友がついてくれているわ。その親友は信頼できるから、安心して」
「わかりました」
「では、始めましょう。今朝、薫と登校した時、薫の下駄箱に多くの手紙が入っていました。中身は分かりませんでしたが、ラブレターで間違いないと思います。しかし、私は断固として、断固として薫を男の魔の手から守りたいと考えています。そのためには皆さんの力が必要です。どうか、どうか私の妹を守るため、力を貸してください。お願いします」
パチパチパチパチ
「賛同を得られたところで、本題に入らせて頂きます。まず、それぞれの役割ですが、私は登下校を担当します。しかし、休み時間ごとに教室に行くのは誠に残念ながら厳しいのが実情です。ですから、他の皆さんには休み時間や授業中、私が来るまでの時間を守って頂きたいと思います」
「それなら、私も出来るわ。さすがに、仕事をためるわけにはいかないけど、ホームルームの前後は任せて!」
「じゃあ、私たちは橘先生がいない時間全てですね」
「そうね。あと、みんな。1日とちょっと、過ごしてみてどう?何か心配事はあったかしら?」
「数学の山本先生と社会の木村先生が薫ちゃんに当てまくってました。山本先生なんか、わざわざ黒板に回答を書かせたんです!」
「なんてこと。そんなのうらやま、じゃなかった。万死に値するわ。いいわ。彼らは女性教師全員を敵に回したのよ。どうなるか思い知らせてあげるわ」
「そうよ。絶対に許さないわ」
「それでは、登下校は私が。ホームルームの前後と各担当授業は先生方が。休み時間と授業中はクラスのみんなにお願いするわ」
「生徒会長。昼休みはどうするんですか?」
「そうね。昼休みは薫次第ね。薫がクラスで食べる時はみんなが、生徒会室で食べる時は私が担当するわ。食堂の時はみんなで守ってちょうだい。その時は知らせて。私も加勢に行くわ」
「「「「「「「分かりました!」」」」」」」
「それでは解散にしましょう。みんな、同じ使命を持つもの同士、協力して頑張りましょう。全ては薫のために!」
「全ては薫ちゃんのために!」
読者の皆さま、作者のAhmedと申します。いつも応援して頂き、ありがとうございます。
薫ちゃんを守ろう委員会という名称は実は他にも守ろう同盟だったり、守る会などなど、色々候補があったのですが、会議室を押さえる以上、少しでもカモフラージュするために委員会の方がいいかなと作者は考えた次第です。未だに不自然に作者は感じてしまいますが、そういう理由も一応あるので、このままで行きたいと思います。しかし、皆さまの中で他の案がありましたら、そちらも検討しますので、どんどんコメントに書いてください。お待ちしてます。
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