第14話 薫ちゃんを守ろう委員会vs男子 前編
「あれっ」
TSして初登校から1夜明け、TSして2日目の登校となった。今日もお姉ちゃんと母に車で送ってもらい、登校したのだが、
バサバサ
「ラブレターが僕の下駄箱に詰められてる!?」
そう、1日にして愛すべき男の娘がTSしたと知った全校の男子生徒が大義名分を得たかのようにラブレターを送ってきたのだ。
「よくも私の可愛い妹に」
と声が聞こえて横を向くと、鬼神を通り越す、威圧感だけではなく、冷気すら放っている姉の姿がそこにあった。
「お、お姉ちゃん?」
「許さない。薫は絶対に守る」
「お姉ちゃん!」
「はいっ!どうしたのかな?私の可愛い可愛い妹の薫ちゃん」
「すごい怖い顔をしてたけど、大丈夫?」
「大丈夫よ。薫は優しいわね。でも、ちょーっと昼休みに生徒会室に来てくれる?お姉ちゃん、用事できちゃったから」
「う、うん。大丈夫だよ」
もはや断れば何をされるか分からないので、素直に従うことにした。ちょっと、チビっちゃったのは秘密だ。
「じゃあ、お姉ちゃん行っちゃうけど、頑張ってね。女子と一緒にいるんだよ。絶対1人にならないでね。」
「う、うん」
(姉視点)
「やっぱりこうなったか。猿どもめ。絶対私の薫は守る。絶対に。こうしちゃいられない。先生たちやクラスの子たちにも協力を仰がないと」
朝、愛しい妹の薫と登校して、薫から離れずにいたことが幸いした。なんだ、あの下駄箱。まずい、学校中の男が薫を狙っている。守らなきゃ。
「失礼します」
「橘先生、内密でお話が」
「分かったわ。生徒指導室でいい?」
「はい」
どうやら、先生は察してくれたようだ。話が早くて助かる。私だけで薫を守りたいけど、それだけじゃ無理だ。業腹だけど、昼休みや放課後以外は難しい。薫を守るためだ。仕方ない。
「それで、話って?」
「はい。朝、薫と登校したら、下駄箱に山のようにラブレターが」
「やっぱり。それで?」
「薫を守るため、お力をお借りしたいと思いまして」
「いいわ。私の教師人生を賭けて」
「具体的には先生方と薫のクラスの女子、それから私で守ります。昼休み、薫は生徒会室に行かせますから、昼休みに計画しましょう」
「分かったわ。クラスの子と先生たちには私から伝えておくわ」
「ありがとうございます」
「いえ、これも薫ちゃんを守るためよ」
よし、まずは第一歩。お姉ちゃんは頑張るわ、薫。
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