第11話 さぁ、学校だ
「うう。不安だ」
「大丈夫よ、薫。薫を傷つける不埒者はお姉ちゃんが退治してあげるわ」
「いや、そこまでしなくても、、、」
「ダメよ。お姉ちゃんに任せなさい。いいわね」
車の中で母姉ともども物騒なことを言われながら、薫はTSしてはじめての登校となった。
「ええっと。確か保健室に一番近い門は東側だっけ?」
「うん。でもいいのかな。車で登校なんて」
「いいに決まってるわ!こんな可愛い娘を男共の所へ放り出すなんて出来ないもの!」
「そうよ。お姉ちゃんは許しません。もし学校からなんか言われたら、お姉ちゃんが生徒会長権限で抗議してあげるわ」
そんなことを言いつつ、学校に到着した。とりあえず、僕とお姉ちゃんは保健室へ、ママは職員室へと向かう。
「「失礼しまーす」」
「あら、生徒会長じゃない。どうしたの?うん?誰かしら、この子。すっごく可愛い、じゃなかった。こんな子うちの学校にいたっけ?」
「詳しくは後から聞いてください。この娘は私の妹、かつての弟です」
「えっ、どういうこと?弟ってことは薫くん?」
「うう。土曜日に起きたらこうなってたんです」
「という訳で、制服をお借りしたく参上しました」
「ええっと、本当に薫くんなの?」
「うう。はい」
「・・・・・」
「あの、先生?」
「可愛い!!」
「へっ」
「元から可愛いと思ってたけど、こんなに可愛くなっちゃうなんて」ギュー
「あの、先生?」
「ちょっと、妹から離れてください!」
「あぁ、ごめんなさい。つい可愛すぎて」
「いや、えっと」
「・・・・・。分かります!!」
「えっ」
「さすが先生。見る目がありますね!うちの妹は世界一可愛いんです!」
「あの、制服を」
「ああ、そうね。予備の制服ね。あの、サイズとか分かるかな?」
「Sだと思いますけど、、、」
「そうね。じゃあ、ちょっと待っててね」
ガサゴソガサゴソ
「はい、これ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、お姉ちゃんがお手伝いしますからね〜」
ガサゴソガサゴソ
「可愛い!!可愛すぎるわ!!目の保養だわ。私、保健の先生やってたのはこの日のためだったのね!」パシャパシャ
「いや、そこまででは、ナイトオモイマス」パシャパシャ
「そこまでよ!世界の宝だわ!あぁ、神様ありがとう」パシャパシャ
制服に着替えると、保健の先生は何かに感謝しだし、お姉ちゃんは無言でずっと写真を撮っているカオス状態となってしまった。
「えぇ〜。もう行っちゃうの?」
「朝のホームルームに遅れちゃいますし」
「いつでも来ていいからね!というか、むしろ来てね!辛いことがあったらすぐに言ってね!」
「は、はい。ありがとうございます」
「とりあえず、職員室に行きましょう。お母さんと合流しないと」
「「それじゃあ先生、ありがとうございました」」
「またのお越しを〜」
「「いや、保健の先生がまたのお越しをはダメでしょ!?」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます