第10話 学校はどうしよう?
TSして1日経った日曜日、僕は重大なことを思い出した。
「学校どうしよう」
そう、学校は当然ながら男子として入学している。学生証も男と表記され、制服も当然男子用だ。
「まぁ、制服は元々小さいし、なんとかなるか。でも、絶対バレるよね」
「どうしよう。このままクラスからハブられたりしないかな」
「薫。ちょっといい?」
「どうしたの?母さん」
「ママでしょ、もう。今から市役所に行くからついてきてくれない?」
「いいけど」
「あなたの戸籍を変えないとね」
もう、色々ありすぎて、忘れていた。でも、戸籍まで変えられるとなんか本当に男じゃなくなったことを実感して悲しくなる。
「でも、信じてくれるかな?」
「一応、診断書もあるし、お医者さんからも話を通しておくって言ってたから」
「そう、、、」
「どうかしたの?」
「ううん。大丈夫」
「ねぇ、かあ、ママ、ねえ、お姉ちゃん。学校はどうしたらいいかな?」
「うーん。一応、市役所から言ってくれるらしいけど、しばらくはそのままじゃない?あとはやっぱり制服がないとね。あっ、でも薫ちゃんの制服姿を世間に晒すなんて!」
「大丈夫よ。お姉ちゃんが絶対守ってあげるから」
「いや、そうじゃなくて、生活とか」
「あっ、そうね。不安よね」
「うん。どうしよう。クラスで受け入れてくれるかな」
「大丈夫よ、薫。いざとなったら、お姉ちゃんに言いなさい。助けてあげるわ」
「うん、ありがと」ニコッ
「「グハッ」」
「くっ、刺激が、、、。まあ、明日はママがお仕事を休んで一緒に学校に行くわ。とりあえずは車通学の方が安心だし」
「そうね。こんなにも可愛いんだもの。薫を守らなきゃ」
「過保護だと思うけど、ありがとねっ」ニコッ
「「グハッ」」
「いいこと、結奈。あなた、命に替えても薫を守りなさい」
「必ず、守ってみせるわ。命に替えても」
「えっ、お姉ちゃん、死なないでね」
「「グハッ」」
「ええ、死なないわ。絶対に薫が生きている限り死なないと誓うわ」
「そうよ、結奈。死んだら許さないわ」
「えっと、、、」
「制服は保健室で借りましょう。多分、予備があるわ」
「そうね。明日は私服、、、はダメね。可愛すぎるわ。仕方ないけど、今の制服を着ておきましょう。それでお母さんが職員室に行っている間に着替えましょう。大丈夫よ。私が手伝うわ」
「あら、結奈。あなた、生徒会長でしょう。あなたが説明に行ってもいいんじゃないかしら」
「普通、保護者が説明するものでしょ。お母さんは我慢して」
「むぅ。こればっかりは仕方ないか。でも、写真は撮るのよ。いいわね」
「もちろん!送ってあげるわ」
ガシッ
としっかり握手を交わした2人に入る隙間もなく、明日制服姿を写真に収められることが決定し、辟易とする薫だった。
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