第6話 Happy christmas(6)
翌朝起きると
夏希はいなかった。
リビングの電気をつけると、朝食の支度とメモが置かれていた。
『横浜に仕事で直行なので早く出ます。 今日はがんばって早く帰ります。』
ん・・?
高宮は何となく気になって寝室に戻ってみた。
彼女のベッドがきれいになっている。
いつもいつも寝坊ばかりで、起きたら起きたまんまで
掛け布団もパジャマもくしゃくしゃに放ってあるのに。
ゆうべ
ここで寝なかったのかな・・?
この寒いのに
熟睡してしまって彼女がいつ寝ていつ起きたのかもわからなかった。
なんとなく
彼女の行動がいつもと違う気がした。
ゆうべ
あんなに不機嫌に怒っちゃったからかな
高宮はベッドの端に腰かけてボーっとした。
別に
記念日だなんだって
拘ることなかったのに。
彼女にプロポーズをして
一緒に暮らし始めて
籍を入れて
結婚式を挙げて
この1年の間にものすごく変わってしまったかのように思っていたけど
実際にあんまり変わってない。
奥さんとして一生懸命に頑張ってくれているけど
自分たちのスタンスは夫婦になったからといって何も変わってない。
恋人同士としていたときと
同じで。
彼女のいる生活が
日常になったことが
本当に嬉しかったのに。
いつの間に当たり前になって
おれの方がたくさんのことを彼女に求めてしまう。
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