5章 遭遇

(…は?何してんだよ俺…早く退いて応援を…!)


そう思って再び後ろに下がろうとするが、体は言うことを聞いてくれない。

好奇心・・・』の赴くままに、ゆっくりと『何か』に近づいていく。


(…!何が起きてる!?体が思った通りに動いてくれねぇ!)


クローが困惑しているうちに、『何か』との距離は確実に縮まっていく。

すると、…微かに動いている。


(…何か…喰ってる・・・・!?頼むから言うことを聞いてくれよ俺の体!!俺は…まだ何も!!!)


クローが心のうちで悲痛な叫びをあげるも、疲れきった体は無常にも『何か』に引き寄せられる・・・・・・・ように進み続け、ついにその眼前に辿り着いた。


だが、その『何か』をハッキリと視認したクローは、自らの想像と百八十度違ったその正体に、先程までの恐怖を忘れ、言葉を失った。


口をポカンと開けて硬直するクローの目の前にいたのは、仰々しいいかにもなキノコをガツガツと貪り食う、一人の少女だった。


「…うーん。マズい。」




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