第269話 1年次夏期集中訓練 3日目(3)
「一体何を想定していたのですか?」
と問うと
「そりゃあ、直ぐに習得して100発100中とかやると思ってたわ」
と見崎さんが言うと梅原さんが
「神城さんなら、十分ありえる話しだね」
と言うので
「そこまで優秀では無いですよ」
と答えると
「水中呼吸と水中機動を1日で習得して良く言うわよ。
普通、水中呼吸の習得は3ヶ月、水中機動の習得は6ヶ月は掛かるわよ」
と梅原さんに言われた。
見崎さんは
「そう言えば、神代さんが何でも直ぐ覚えるから、隊の連中が面白がって色々と教えていたな」
と言い、梅原さんが
「
と言うと、見崎さんは
「そうだった」
と言うと、見崎さん、梅原さん、照山さんの3人は笑い出しだ。
私が
「しかし、何で水中攻撃で的に当てるのに苦労している理由が分からないな」
と見崎さんが言うと
「たぶん、反動制御に苦労しているみたいな感じかな?」
と照山さんが答えた。
見崎さんが腕を組んで首を捻りながら
「そこなんだよ。
俺から見て、神城さんの姿勢制御に問題は無かった。
攻撃自体だって、おかしな所はなかった。
狙いも反動制御も見事なものだ。
だから、的に当たらないのが不思議でしょうがない」
と言うと、梅原さんが首を捻りながら
「それなんだけど、たぶん途中で軌道が逸れていると思う」
と言った。
「軌道が逸れている?」
と尋ねると
「何となくなんだけど、そんな感じがするのよ。
ただ、癖とかで曲がっている感じがしないのよ。
だから、ハッキリと言えないんだよね」
と返された。
「海とかなら分かるが、プールで逸れるというのはな」
と見崎さんが言うと、照山さんが
「可能性はあるわ。
ただ、梅原教導管も言ったけど、確証が無いから検証が必要ね。
休憩後、検証を行いましょう」
と言われた。
休憩後、再びプールに入って検証を開始する。
私が水中で的を撃つ。
それを3方に分かれた照山さん達が軌道を確認する。
時折、3人の指示で撃ち方を変えながら検証を続けた。
お昼近くまで続けた結果、やはり途中で軌道が変わっている事が分かった。
だた、その変わり方がバラバラなので法則性はなさそうだ。
詳細な検証は午後にして、午前中の訓練を終了する。
私以外がウェットスーツを脱ぎ水着姿になると、ウェットスーツをプールサイドのハンガーに干す。
更衣室に向かおうとしたら、出入り口から伊島さんを先頭に美智子さん達が入ってきたので足を止める。
伊島さんが
「おや、もう終わりですか?」
と言うと、照山さんが
「丁度キリが良くなりましたので」
と答えると、伊島さんは
「そうですか。
折角ですから、彼女達に水中訓練の様子を見せたかのですが」
と言って、軽いため息をついた。
「それにしても、今日は早いですね」
と言うと、武井さんが
「彼女達の魔力の減りが想定より早くてね。
途中から魔力回復を訓練を挟みながら行っていたんだ。
まあ、それで、午後の訓練に影響が出ない所で切り上げたって所だ」
と教えてくれたのだが、こちらをチラチラと見ながら顔を合わせない。
「魔力の減りが早い?
どういう事ですか?」
と問うと戸神さんが
「射程と精度はまだまだですが、威力はかなり上がりました。
その分、魔力消費量も上がりました」
と言うが、私と顔を合わせない。
「ずいぶんと歯切れが悪い言い方ですね?
何か問題でも起こりました?」
と問うと、伊島さんから
「問題は無いよ。
夕方にでも神城さん自身で確認すると良いよ」
と返ってきた。
「わかりました」
と答えると、合流した照山さんが美智子さん達に顔を向けて
「皆、顔が赤いけどどうしたの?」
と聞くと、照山さんの視線の先に居た都さんが私をチラチラと見ながら
「な、なんでも無いです」
どこか焦った感じの返事が返ってきた。
照山さんは、都さんの隣に居た美智子さんを視線を移すと
「わ、わ、私も、何でもないです」
と私をチラチラ見ながら言う。
照山さんが、郁代さんに視線を移すと
「優ちゃんって、エロかわいいですよね」
と目を輝かせて力強く言う。
「え!」
と私が声を漏らし、照山さんは目が点になっている。
他の人も絶句している。
郁代さんは、私をジロジロと見ながら
「小さいのに、胸が大きくて腰のクビレもしっかりしていて足も長くてスタイルが良いよね。
トップは、下からすくい上げる様にしているから、おっぱいの上の方まで布地が届いていないし、三角形の布地がおっぱいに食い込んでいるから谷間と横乳がすごく強調されてエロいよね。
ボトムもかなり小さ目なのに、紐を腰骨に引っ掛ける様に着けているから食い込みがエロい」
と力説する。
私は思わず、左腕で胸を右手で股間を隠して身を捩る。
「おしりも半分以上出ているね。
それにその仕草、物凄くエロ可愛い」
と言ってジロジロと見ている。
「あははは。
顔も真っ赤にして可愛い」
と言われ、絶句して固まっていると梅原さんに
「その辺にしてあげない」
と言われ、郁代さんは
「はーい」
と答えた。
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