第124話 治療
夕食後も、平田さんの現状維持に努めつつ、魔力塊マナ・コアを出来るだけ詳しく調べて記録を取っていた。
23時を少し過ぎた位に、
二人は三上さんに呼ばれてここに来たそうだ。
二人は早速平田さんの状態を私から聞いた後、平田さんの
その後、羽佐田さんが持ってきたバイタルメーターを平田さんに取り付けた。
取り付けたバイタルメーターは、私が今着けている物の予備だそうだ。
このバイタルメーターには、
羽佐田さんが手元の端末でリアルタイム表示される状態と平田さん本人の状態を見比べて
「東海支局の環境試験室に比べると数段落ちるが、十分実用範囲だ」
ということで、端末を見ながら対策を考えることになった。
検討を始めると、三上さんと医院長の一ツ山さんが一緒に来た。
一ツ山さんも優秀な治癒師という事で、治療方法の検討に加わる事になった。
4人共、平田さんの
「瓢箪と言うより串刺し団子だな」
だった。
治療方針としては、
問題は、
まず、
ただし、
検討の結果、段階を踏んで融合させる方法になった。
第1段階:既存の
第2段階:
この段階で、狂戦士の
第3段階:
治療期間は、1年から10年が予想される。
治療期間が長いのは、第2段階終了までにどれだけの時間が掛かるかの予想の振れの為だ。
それほど、
それなら大きい方の
治療方法が決まったので、ここからは治癒師の仕事だ。
治癒の
この能力を使って、
追加の
私が主施術を勤め、一ツ山さんと三上さんが補佐を勤める。
私が主施術を勤めるのは、治癒が使え直接
一ツ山さんは、直接見る事が出来ない為、端末情報を見ながら行う。
その補助を三上さんが行う。
葉山さんは、平田さんの体の状態管理を行い、羽佐田さんが状況のモニタリングと流量制限機能の魔力回路設計を行う。
第1段階の手術が完了した時には、5時40分を過ぎていた。
平田さんの状態は安定したので、
脳死状態も快方の方向に向かっており、早ければ今日中に目を覚ますだろう。
手術の成功を5人で称え合った後、仮眠を取るべく部屋を出ると、山本さんが三上さんに詰め寄って平田さんの状態を聞き出そうとした。
三上さんは、山本さんに当面の危機は去った事と治療に時間が掛かる事を告げた。
詳細は、本人の意識が戻った時に
目が覚めたら、9時になっていた。
他の人達も起き出したら、高月さんが様子を見に来た。
流石に、そろそろ起こさないと不味いと思って見に来たそうだ。
職員用のシャワー室を借りて、シャワーを浴びて目を覚ます。
その後、休憩室で高月さんが買ってきた朝食を食べながら、三上さんが伊坂さんと高月さんに平田さんの治療方針を伝えた。
基本的に、平田さんの治療は私が行う為、訓練校の宿直棟にて療養を行ってもらう事と、私が朝晩の検診を行い、私の判断で治療を行う事になった。
困ったり判断に迷ったら、三上さんに相談する事という制約はついています。
で、肝心の移動は平田さんが目を覚ましてからと決まり、宿直棟の部屋の準備は伊坂さん達が行う事になった。
10時前に解散となり、三上さんはこの後、家族と共にレ○ランドに行くそうだ。
これを聞いた伊坂さんと高月さんは、ポカーンと呆けていた。
なんでも珍しく家族全員の休日が合った日だったので、娘さんの大好きなレゴのテーマパークに行く計画をずいぶんと前から立てていたそうだ。
なので、旦那さんと娘さんも連れて来たそうだ。
羽佐田さんと葉山さんも奥さんが付いてきていて、名古屋観光をしてから帰るそうだ。
3人からは、何かあったら遠慮なく連絡を寄越すように言ってから帰っていった。
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