第113話 資源ダンジョンの現状
鑑定後、更衣室で制服に着替えてから教室に戻った。
土田さん達も既に戻っていて、返ってくるなり囲まれた。
激しく興奮する土田さんが言うには、「上級能力鑑定師は、鑑定系の最上位のエリート
彼女の両親も鉱物鑑定と魔物鑑定を持っており、防衛課の研究機関で研究員をしているそうで、彼女も能力鑑定を生かした研究員になりたいそうだ。
しばらくすると、霧咲教育官が教室に現れたので、全員が席に着く。
ホームルームが開かれ、この後の予定と明日の連絡事項が言われた。
この後、教科書を受け取って今日の授業は終了。
明日は、朝から全国統一高校生テストを受けるとの事。
クラスに悲痛な悲鳴が響いた。
訓練校の卒業生は、高校卒業の資格がもらえるのだから、教養科の授業内容は公立高校と変わらない。
だから、新入生テストもあるし、中間・期末試験もある。
ホームルームが終わり、解散して厚生棟にある売店に向かう。
ここで、教科書配布が行われている。
土田さん達と売店に向い、売店の前の教科書配布所で教科書を貰う。
全ての教科書を貰うと、総重量が7kg以上あって素の力では持ち上がらない。
仕方無いので、
他の人達も、重いと言って必死に持っている。
都竹「私達でも持つのがやっとなのに、どうして神城さんは持てるの?」
田中「
「私の力では、持ち上がらないから、
鳥栖「
土田「魔力の流れを制御して、
鳥栖「そんな技術があるんだ。今その技術が欲しい。」
土田「同感」
教科書を両手で持って、ヨタヨタ歩きながらの会話だ。
田中さんと都竹さんは、会話に参加する気力も無い。
荒い呼吸と人に見せられない顔をしている。
十分な時間を掛けて寮に帰った。
部屋に戻り、教科書を片付けた後、作業服と着替えを持って、構内見学時に行かなかった施設(宿直棟)に向かう。
対魔庁のIDカードを使って施設内に入り、更衣室で作業服に着替え、エレベータで地下に降りる。
地下は、円筒形で直径が50mあり、底から天井まで25mある。
地下で待っていたのは、機動戦略隊大隊長の篠本さん、高橋さん、伊坂さん、山本さんの4人だ。
彼らと挨拶をした後、此処に集まった本題が述べられた。
篠本「本日集まったのは、神城さんの戦闘訓練担当の伊坂と山本に、貴方の実力を見てもらうためよ。
彼らには、訓練校に登録されている能力値を見て貰っています。
神城さんの準備が終了次第、伊坂と模擬戦を行います。」
「分かりました」
そう言うと、少し離れて準備運動としてストレッチを始めた。
高橋さんが近寄ってきて
「体調は、問題なさそうね。」
「はい、問題ありません。」
後ろを振り向き、伊坂さんと山本さんの様子を確認してから小声で
「最初は、訓練校に提出してある能力値で戦って。
途中で声を掛けるから、そしたら全力戦闘に移行して頂戴。」
「了解」
「伊坂君は、経験豊富なランクA5の強者だから、ランク差を超えた強さを見せてくれるはずよ。
しっかり学びなさい。」
「分かりました。
勉強させてもらいます。
ところで、資源ダンジョンはどうなりました?
あの二人は、資源ダンジョンで指揮を取っていたと思ったんですけど。」
「資源ダンジョンの調査は、別の人が指揮を取って調査を続けていますよ。
新たに見つかった部分は、別のダンジョンである事が確認取れました。
今も、
ただ、コアを破壊すると資源ダンジョン側への影響があると思われるので、慎重に調査を行う予定です。
情けないことに調査部隊は、未だにダンジョンコアに到達出来ていません。
教導隊から、かなり正確な地図を貰っておきながら、垂直の縦穴の攻略に時間が掛かっています。」
「やっぱり、あそこがネックなんだ。」
「ええ、貴女の様に土
なのに、貴女の真似をする者があとをたたず、調査に支障を来す始末。
今は、工事現場で使う足場と土
「どうして、私のマネをすることに?」
「まず、貴女達が新ダンジョンから戻る時に、土
先遣隊の攻略時間から、道中の魔物は、
そのことから、縦穴も一気に抜けたと想定されました。
問題は、縦穴を突破した方法が分からない事でした。
空を飛ぶ位しか方法が思いつきません。
でも、先遣隊が空を飛べたとは思えません。
戸神教導官なら飛べたかも知れませんが、全員を連れては無理です。
そこで、改めて教導隊に、突破方法を確認した所、土
先遣隊で土
そして、先遣隊は、縦穴突破後に
なので、足場を作ったのは、貴女しか居ないという話になりました。
ここから調査隊の
少女である貴女に出来たのだから、自分も出来ると思い込んで、魔力が枯渇するまで挑戦した挙げ句、魔力枯渇と同時に作成した足場が壊れるという失態を繰り返しました。
ここで止まればまだ良かったのですが、彼らのプライドが諦める事を許さなかったのか、調査よりも足場を如何に高く、丈夫に作るかという方向で挑戦し始めるという馬鹿げた行動を取りました。
しかも、虚偽の報告までして。
一向に進展しない現状に、伊坂君が最前線に視察に向かって発覚。
そこから、仕切り直して今に至っています。
あと、馬鹿をした隊員達も駐屯地に連れ戻して、それ相応の罰として、
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