第112話 身体測定と能力検査

 午後は、健康診断。

 早めに訓練着に着替える為に更衣室に移動する。

 更衣室には、同じ様に着替えている女生徒達が大勢いる。


 自分達のクラスのロッカーに移動すると、宮園さん達のグループが先に着替えていた。

 私達が、横で着替え始めると、


 宮園さんにグループの一人、三村みむら 彩奈あやなさんが「貴方達、本当に小さいわね。これからの訓練に着いてこれるのかしら?」と言って、グループ内で侮蔑ぶべつに満ちた笑いを誘っていた。


 私は、彼女達を見ながら「本当に小さくてうらやましい」と答えた。

 鳥栖さんは、何処を見て言ったのかに気づいて追撃を加えた。

 鳥栖「本当ね。軽そうで羨ましいわ」

 他の人も気づいたので、更に追撃が行わた。

 土田「激しく動いても痛く無いって、羨ましいわ」

 田中「肩も凝らないし、汗をかいても蒸れないって羨ましい」

 都竹「足元もよく見えていいね」


 言われた彼女達も最初何を言ってるのかを理解出来ていなかったが、理解すると顔を紅潮させて絶句している。

 彼女達は、身長が160cm以上あり、筋肉質で、非常にスレンダーなのだ。

 一方、私達は身長が155cm以下だが、特定部位が豊満なのだ。

 彼女達は、自分と私達を見比べて激しく落ち込んでいる。

 そして、そのまま、誰一人口を開くこと無く、トボトボと出て行った。


 身体の欠点を突いて主導権マウントを取ろうとして、逆にやり込められてたら世話がない。

「あんなに落ち込むなら、言わなきゃ良いのに。」


 田中「その通りね。

 しかし、神城さんは制服を脱ぐと、大きいですね。」


「そうかな?

 私としては、背の方が欲しいんだけど。」


 都竹「今のままでも、良いと思います。小さくてかわいいです。」

 他の人達は、頷いている。


 土田「ああいう連中は、人よりも優れてる事を証明しないと生きていけない可愛そうな人達イキモノなんです。

 だから、関わり合わない方がいいんです。

 基本、放置で行きましょう。」


 鳥栖「さんせー」

 それを聞いて、みんなで笑ってしまった。


 着替え終わると、武道場に向かう。

 男子は第二体育館、女子は武道場で身体測定を行われる。


 身長、体重、胸囲、視力、聴力、検診が行われた。

 私の身長は、辛うじて130cmを超えた。

 女体化直後から約4cm伸びた。

 このまま伸びて、150cm位まで伸びないかな。

 胸も3月にブラジャーを買い替えた時より大きくなっていた。

 まだ、買い替えるレベルではないけど、胸の成長率は著しい。

 身長の成長率と入れ替わって欲しいな。


 身体検査が終わると、能力検査の為に教員棟の能力測定室に向かう。

 検査の順番待ちをしていると、三上さんがやって来た。


 三上「神城、元気か?」


「はい、問題ありません。」


 三上「そうか、なら向こうでやろう。」


「はい」と答えて、三上さんに続いて行こうとすると

 都竹「え、何処に行くの?」


 三上「ん?友達か?」

 歩みを止めて戻ってきた。


「はい、そうです。」


 三上「そうか、なら言っておくべきだな。

 この子は、自動能力測定機で能力測定できないんだ。

 だから、私が直接能力鑑定を行うんだ。」


 鳥栖「そうなんだ。」


 土田「え?自動能力測定機で測定できないってどういう事?

 あの装置で鑑定出来ないのは、未発見の能力アビリティだけって聞いた事があったんですが?」


 三上「魔力が自動能力測定機の許容値より大きかったり、特定の能力アビリティを有していても、測定出来ないんだ。

 そういう場合は、能力鑑定師が直接鑑定するんだ。

 そして、この子は上級能力鑑定師だ。

 上級能力鑑定師は、上級能力鑑定師でしか鑑定できないから、私がここに来たのだ。」


 土田「え、上級能力鑑定師!!

 日本に5人しか居ない鑑定師の最高峰!!」


 三上「今は、6人だ。」

 苦笑いしながら答えた。


 それを聞いた周囲から驚愕と尊敬の眼差しを向けられた。

 私達の前に並んでいた宮園さん達も驚愕して挙動が可怪しくなっている。


 三上「それじゃあ、行こうか。」


「はい。それじゃあ、また後で。」

 そう言って、土田さん達と別れて保健室に来た。


 三上「それじゃあ、確認のために鑑定するぞ。」


「はい、お願いします。」


 三上「学生証を出してくれ。」


 学生証を渡すと、端末にかざして鑑定結果を入力していく。

 訓練校に提出される能力データは以下の通りだ。


 魔力:73,482,862MP (ランクB7)

 放出系

  光:C1

 具現化系

  水:B1

  土:B1

 特殊系

  耐日光:C1

  能力鑑定:A1

  広域探知:B1

  魔力感知:C5

  治癒:C5

  浄化:C4

  物理結界:D7

  魔力結界:C1

  物性変化:F5

  魔力回路付加:E2


 本来の能力アビリティ数からすると相当少ないが、ランクBの能力者の平均能力アビリティ数が10個なので、それに合わせて少なくしてあるが、任務に必要な物を中心に選択しているからそれでもまだ多い。

 

 私の身の回りの人の能力だと以下の様になっている

 名前:見石 章

 魔力:1,522MP

 身体強化:F1(目)

 特殊系

  俯瞰ふかん:F1


 名前:山田 零士

 魔力:14,631MP

 放出系

  氷:E1


 名前:宮園 満里奈

 魔力:3,119MP

 身体強化:F3(筋力)


 この様に、訓練校入校時は、能力アビリティを1個か2個しか持たないのが普通なのだ。

 先日会った、霜月先輩の能力は


 名前:霜月 冬弥

 魔力:74,225MP

 身体強化:E7(筋力、反応速度)

 具現化系

  氷:E4

 特殊系

  魔力感知:F5


 かなり優秀な霜月先輩でも、この位の能力なのだから、私の能力と成長速度がいかに異常かが分かる。


 ちなみに、霧崎教育官の能力は

 名前:霧崎 壱馬

 魔力:2,174,451 MP

 身体強化:C2

  筋力、皮膚、反応速度、目

 放出系

  火:D4

 特殊系

  魔力感知:D7

  探知:D1

  記憶力:F7


 教育官でもこの程度の能力です。

 これでも、相当優秀な人です。

 規格外と比べるから弱く見えています。


 本来の鑑定結果は、以下の通りです。

 魔力:1.92GMP(UP)

 身体強化:S1

 放出系

  風:B9(UP)

  氷:B9(UP)

  雷:C7(UP)

  火:C3(UP)

  水:C9(UP)

  土:C8(UP)

  光:C3(UP)

  重力:C1(UP)

 具現化系

  風:B9(UP)

  氷:B9(UP)

  雷:C7(UP)

  水:B1(UP)

  土:B1(UP)

  影:D7(UP)

 特殊系

  魔力回復:A4(UP)

  能力鑑定:A1

  広域探知:B1(UP)

  空間把握:C9(UP)

  記憶:C7(UP)

  魔力感知:C5(UP)

  高速思考:B1(UP)

  演算:C1(UP)

  治癒:C5(UP)

  回復:D1(UP)

  浄化:C4(UP)

  体力回復:D5(UP)

  身体硬化:D1(UP)

  物理結界:D7(UP)

  魔力結界:C1(UP)

  悪意感知:D3(UP)

  先読み:D5(UP)

  障壁:C1(NEW)

  物性変化:F5(NEW)

  魔力回路付加:E2(NEW)


 私的には、半年前に比べるとかなり成長させる事ができたとなるのだが、一般常識からみるとぶっ飛んだ成長をしている。


 公式最短ランクアップ記録は

 ランクF1→ランクE1に3ヶ月

 ランクE1→ランクD1に6ヶ月

 ランクD1→ランクC1に18ヶ月

 ランクC1→ランクB1に40ヶ月

 ランクB1→ランクA1に60ヶ月

 最短記録で、ランクCになるまで約2年3ヶ月計算だ。

 半年足らずで、それらの記録を超えているのだから公開出来る物ではない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る