第80話 初戦闘への準備

 身体検査終了後、食堂で昼食を食べている。

 一緒に居るのは、霜月さん、氷室さん、若桜さん、三上さん、植松さん、望月さんのだ。

 植松さんと望月さんは、身体検査で若桜さんの手伝いをしていたので一緒に昼食を取っています。

 そこに、太和さんと戸神さんが合流してきた。

 太和「おう、おめでとうさん」


 戸神「あけましておめでとうございます。」


「あけましておめでとうございます。」


 太和「丁度良いから、聞いてくれ。

 午前中に隊長と神城の訓練計画を話していたんだが、その中で実戦を経験させたいと言う話になってな。

 そう、怖い顔で睨むな。」


 霜月さん達の顔が険しくなっていた。


 戸神「まあ、落ち着いて最後まで聞いて下さい。」


 太和「俺達だって、一応、神城が安定するまで待つつもりだったんだが、隊長の話しを聞いて、一考の価値があると判断したから、ここで話す事にしたんだ。


 以前、神城が安定するのに半年から一年位掛かると言われていたが、最近はかなり落ち着いてきたと報告がある事から、今回の話し『神城が訓練校に入校する前に、実戦経験を積ませたい。』になるんだ。

 理由は、

 1.神城の心身の状態が落ち着いてきたこと。

 2.対魔庁に入庁し、それなりに基礎を身に着けてきたこと。

 3.初実戦のサポートとケアに、最適な人材が揃っていること。

 4.訓練とケアにまとまった時間が取れること。


 これらが、主な理由だ。

 副次的な理由としては、『中部機動戦略隊に美味しい役を取られたくない。』と言うのもあるがな。」


 戸神「神城さんの初実戦は、我々東海支局教導隊か中部機動戦略隊のどちらかが担当する事になるでしょう。

 そうなると、同期で初実戦を共感する事は出来ないので、その役をどちらの隊が行うかという問題になります。

 隊長としては、既に3ヶ月交流を深めている我々東海支局教導隊が担当するべきだと考えている様です。

 それに、中部機動戦略隊と違って、此方こちらには心理療法士の植松さんも居ますから、より手厚いサポートが出来ると思っています。」


 苦虫を噛み潰した様な表情で、

 霜月「実際の計画は?」


 戸神「大まかな計画では、1月の間は、今の訓練に実戦に必要な基礎訓練を追加します。

 2月に入れば、自由登校になるので、その期間で本格的な訓練を行います。」


 太和「3月上旬に実行。

 ケアと追加の実戦を3月下旬まで行いたい。

 出来れば、3回位経験させたいところだ。」


 戸神「神城さんには、かなりの負担になる事は重々承知していますが、いずれ通る道なので我々が先導したいというのが、我々の本心です。」


 かなり渋い顔をして考え込んで、深い溜め息をついてから

 霜月「仕方ないか、あまり賛成したくないが、その話には同意する。」


 若桜「確かに、優ちゃんの初戦とケアをあちら中部機動戦略隊に取られるのは嫌ね。

 でも、実戦ねー。」

 こちらも渋い顔をして、考え込んでいる。


 植松「私も、しっかりケアします。」


 三上「神城、お前はどう思う?」


「私は、良くわかりません。

 実戦に出ると言う事は、魔物と戦うと言う事ですか?」


 太和「その通りだ。

 通常は、対魔庁に入庁後、3ヶ月間の入隊訓練後に実施される。

 その後、各地域の防衛隊に配属となる。


 その訓練は、此処教導隊で行っている。」


 霜月「そういう意味でも、最適な人材が揃っている事には違いない。」


 戸神「正直、暴走する危険性を考慮しても、此処に居る我々が対応するのが最適だと思います。」


 三上「なら、取り敢えず、最終判断を2月末に行うとして、3月に実戦を経験させるつもりで話を進めれば良いのではないか?」


 戸神「それしか無いですね。

 神城さんも、それで良いですか?」


「3月に実戦を、魔物討伐を行うという事ですか?」


 戸神「その認識で問題ありません。

 戦場の選定、戦闘訓練等の状況次第という事で、話を進めます。」


 霜月「不安か?」


「はい。私の力が通用するか分かりませんから。」


 太和「お前の力は、確実に通用する。

 ただ、その力を活かせるかどうかは別だ。

 それは、これから学べば良いことだ。

 その為に、俺達がいる。


 むしろ、周辺被害の方が酷い事になると思うぞ。」


 周りを見ると、苦笑いをしている。


 三上「神城は、3月に実戦を行うつもりでいれば良い。

 不安や疑問やおかしな点に気付いたら、此処に居る誰にでも相談して良い。

 特にを感じたら、女性陣の誰でも良いから相談しろ。

 どんな些細な事でも構わない。」


 三上さんは、若桜さんに視線を送った。

 若桜「はあ、優ちゃんの年齢は15歳だけど、体の方はまだ成長期の可能性があるの。

 この時期の過度なストレスは、成長を阻害するから、あまり勧められないの。

 だから、本当にどんな些細な事でも相談してよ。」


「分かりました。」


 教導官としての顔になった霜月さんが

 霜月「今日の訓練から、実践的な戦闘訓練を行うことにしよう。」


「お願いします。」

 しかし、私は霜月さん達が心配している本当の意味を理解していなかった。


 この日の訓練から、実戦を意識した訓練内容が追加されました。

 平日は、魔力制御と基礎訓練を行い、週末の訓練所での訓練は、実戦を想定した訓練になりました。


 これまでの訓練との違いは、対魔格闘術を習っていても、防衛や相手の制圧を主眼に置いた訓練だったが、本格的に相手を殺す為の訓練が追加され、能力アビリティも自己鍛錬や能力開発だけでなく、戦闘時の運用を前提した技術の習得・運用が含まれるようになった。


 そうして2月に入り、自由登校になると、訓練所での訓練もより厳しいものに変わっていた。

 正直、訓練は辛く厳しいが、強くなりたいという思いがあるから頑張れる。

 今の私は、能力アビリティ破壊小銃ブラスター・ライフルを使うと、無差別破壊兵器でしかない。

 家族を、友人を守る力が欲しい。

 その力は、誰かを守る力にもなるはずだ。

 だから、強くなりたい。




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 カクヨム生誕祭2023のカクマラソン参加のため、週3回の更新を今週の土曜日(4/1)で終了します。

 来週より、月・木の週2回の定期更新に戻ります。


 女体化したら最強(凶)!?の設定やサイドストーリーを置く場所を作りました。

 気になるようでしたら見て下さい。

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655007029381


 これからも、当作品を楽しんで頂けら幸いです。


 作者より。

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