第79話 年末年始の神城家(7)
1月3日も普段通り起きて、朝のルーティン後に朝食を作っている。
今朝は普通に、ご飯、野菜多めの味噌汁、ハムエッグにした。
もう、お正月感が無い。
今日も、家族はお出かけをするそうだ。
何でも、行ってみたい所が在るらしい。
行き先については、特に聞いていなかったので知らない。
いつも通りに、家事と訓練で1日を過ごした。
それから、5日まで私の1日は、かわらず家事と訓練の日々だった。
家族は、個別に外出したり、家に居たりしていた。
6日の朝食後、父さんを送り出してから私は訓練所に戻る準備をしていた。
父さんは、今日から仕事だ。
学校がある日は、7時30分に迎えが来るが、今日は9時に迎えが来る事になっているので、この時間に準備をしていた。
その様子を舞達3人が見ていた。
舞「お姉ちゃん、もう訓練所に戻るの?」
「うん、戻るよ。」
舞「どうして? 冬休みは、まだ残ってるよ。」
「訓練するためだよ。」
舞「何の訓練?」
「護身術」
舞「護身術?」
「今の状況だと、常に護衛の人が居ないと身動き取れないから。
私自身が、十分強くならないと護衛無しの生活に戻れない。」
舞「だから、訓練所に戻るの?」
「そうだよ。
私は、背も低いし、力も体力も無いから、コツコツ訓練するしか無いんだ。」
当然、
香織「優お姉ちゃんも、努力しているんですね。」
希「だからって、今日から行く必要ってあります。」
「じゃあ、高校生活を護衛されて、自由に動けない生活したい?」
三人は、顔を見合わせて
舞「自由がないのは、嫌だ。」
希「私も」
香織「私もです。」
「でしょ。だから、少しでも多く訓練して強くなりたいの。」
ようやく、納得してくれた様だ。
恐らく、一般人や低レベルの能力者を
「希ちゃんと香織ちゃんは、明日帰るのでしょう。
早めに帰る準備をしないと、大変だよ。」
爺ちゃん達は、明日帰るのだ。
そして、3人の荷物が舞の部屋に散乱しているのだ。
希「分かっているけど、メンドイ。」
香織「優お姉ちゃんを見送ってから、片付けます。」
私の荷物は、着替えが主なので、すぐに終わった。
リビングに戻り、迎えが来るまで家族と歓談をして過ごした。
家族に見送られながら、迎えに来た氷室さんと一緒に家を出た。
車には、若桜さんと霜月さんが待機していた。
車に乗り、移動を開始したので、若桜さんにダイエットの話をする。
理由を聞かれたので、体幹トレーニング中にブラジャーが壊れた件を話す。
若桜さんは、タブレットを取出して何かを確認している。
若桜「優ちゃん、ダイエットの必要は無いわ。
今でも痩せすぎよ。
取り敢えず、ブラジャーは変えた方が良さそうね。」
氷室「なら、最初にフィッティングを行ったお店にしましょう。」
「え、お金持ってませんよ。」
氷室「優ちゃん、キャッシュカードは持ってきてますよね。
あなたの銀行口座には給与が振り込まれてますから、お金は在るはずですよ。」
「え、キャッシュカードは持ってます。
銀行口座を確認した事ありません。」
氷室「なら、ショッピングモールに着いたら、残高を確認してみましょう。」
ショッピングモールに着いて、キャッシュコーナーに行き、氷室さんに教わりながら操作をして残高を確認すると、大金が入っていた。
氷室「問題なく、振り込まれいますね。」
「この金額は?」
氷室「優ちゃんの給与ですよ。
これまで使っていなかったので、貯まっているだけです。
一人暮らしをする様になると、すぐに無くなりますよ。
取り敢えず、5万円下ろしましょうか。」
「あ、はい」
言われた通り操作して、お金を下ろす。
そのお金を持って、下着売り場に向かう。
前回フィッティングをしてくれた店員さんを見つけて、再測定をお願いする。
再測定したら、サイズが一回り大きくなっていた。
あと、「今は成長期の様だから、キツくなり始めたらフィッティングをして、最適なサイズに変えないと、形が悪くなるから無理をしない。」と怒られた。
「そんなに急に大きくなるものなんですか?」と聞くと、「人によりけりだけど、半年で2カップ以上大きくなる人も偶にいます。あなたも、その可能性があるから気をつけてね。」と言われて
取り敢えず、今まで使っていたブラジャーを身に着けるのを止めて、新しい物を買って着けた方が良いと事で、ノーブラでブラジャーを選んで居るが、ノーブラで居る事がこんなにも
若桜さん達に手伝ってもらって、4着程選んだ。
購入した物を早速身に着けて、ようやく人心地ついた。
訓練所に戻り、荷物を置いて作業服に着替える。
戦闘訓練を行う様になってからは、運動服ではなく作業服で訓練する様になった。
着替えたら、病院側に行って身体検査をする。
これは、経過観察の一貫で毎月月初に行っている。
検査結果は、まだ痩せすぎで、もう4、5kg体重が増えても問題ないという事だった。
検査中に様子を見に来た三上さんが、若桜さんが持っている検査結果を奪って
三上「ほう、どれどれ。
確かに、数字上は痩せすぎだな。
だが、神城を見ていると、大分ふっくらとしてきたな。」
「え、太って見えます?」
三上「いや、かなりの細身だぞ。
神城が女性化した直後は、腕と足は骨と皮だけで簡単に折れそうだったし、体も
今は、やや筋肉質だが体全体に肉が着き、健康的な体つきになってきている。
それに、女性特有の丸みも出始めている。
ただ、思ったより大きいな。」
「大きい?」
何が大きいのだろう。
自分の体を見るけど、分からない。
三上「ああ、胸がな」
「胸?」
言われたので、自分の胸を見る。
2つの胸の膨らみが見えた。
私の胸が大きい?
思わず両手で体を抱く様にして胸を隠した。
「私の胸は、大きくないです。」
苦笑いしながら
三上「変な意味じゃあないぞ。
数値上では、確かに大きいとは言えないが、神城の体の大きさから考えると大きい方だぞ。
考えても見ろ、神城の外観は10歳位にしか見えない。
10歳と言えば、小学生4年生だ。
小学生4年生位で、初潮を迎え始める。
そんな娘達が、そんな立派な胸をしているか?
していても極少数だ。
神城も初潮を迎えてから、まだ2ヶ月しか経っていない。
それで、Bカップもあるのだから発育が良いという事だ。
ただ、問題なのが、今が2次成長期かどうかという事だな。
2次成長期なら、これから身長も大きく伸びるだろう。
違ったら、あんまり身長が伸びない事になるな。
なにせ前例が無いから分からない事が多い。
その辺の判断は、若桜に任せる。」
身長に対して大きいと言われたのか。
ただ、気になるのは、2次成長期かどうかだ。
2次成長期で無かった場合、私の背は殆ど伸びない。
霜月さんや都さん位にとは言わないけど、150cm位は欲しい。
若桜さんを見る。
若桜「残念だけど、分からないわ。
成長ホルモンが、分泌されているのは確認できているけど、年齢的に成長が止まる年齢だから、成長期かどうかまでは分からないの。」
う、う、成るように成るしかないのか。
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