第70話 変化(2)
流石に3日目になるとだいぶ楽になった。
学校に行くと女性陣に非常に心配された。
今では、三島さんのグループに居るのも当たり前になってしまったが、ガールズトークにはついていけない。
よく話題が尽きないものだ。
章と零士は私を前にすると、相変わらず固まっている事が多く、目を逸らされる事も多く、話しかけても
二人との間は、そんな感じになってしまったので、
二人との関係の変化は、男女の差と割り切る必要があるのかも知れない。
その後も、私の周りは平穏に日常が過ぎ、12月最初の日曜日の朝に自宅に帰ってきた。
三上さんが「最近は、政情も安定している事に加え、年末は家族で過ごす事も考えたら、お互いに慣らす時間が必要だ。」と伊坂さんを説得した事から平日は自宅で過ごし、週末は訓練所で過ごすことになった。
普通は、逆だと思うのだけど、週末の訓練の時間を出来るだけ削らない方向で調整された結果、火曜日から金曜日まで自宅から登校し、金曜日の放課後から訓練所で過ごして、月曜日は訓練所の女子寮から登校する事になった。
平日の夜の勉強会は、オンラインで行うこととなった。
それに、今回の処置は、私の現状の問題を解決するためのものでもある。
今の私は、
以前は、オン・オフをハッキリと切り替える事が出来ていたのだが、ある程度制御出来るようになると、無意識に
私が無意識で身体強化や放出系・具現化系の
自宅に戻ると、母さんと舞は大喜びだったが、父さんとの関係は悪い訳では無いけど少しギクシャクしている。
今は、お互いの距離感がうまく取れていないからだと思う。
そういう意味でも、お互いに慣れが必要だと思った。
1ヶ月半ぶりに自室に戻ったけれど、もう男性臭は残っていなかった。
支給されたノートパソコンを自宅のネット環境に接続して、訓練所と通信できるかを確認する。
無事通信できたので、作業を終了して持ち帰った衣類を片付けていると、母さんと舞が両手に紙袋を持って部屋にやってきた。
その後は、着せ替え人形にされ、新しい服を着せられる度に父さんに見せるのを繰り返しで午前中は潰れた。
お昼は、舞のリクエストで宅配ピザを頼んで食べた。
ジャンクフードを食べるのも本当に久しぶりで、女体化してから初めてだと気づいた。食べれた量は、舞の半分にも満たなかったが、美味しかった。
午後は、それぞれが自分の時間を過ごす。
私も部屋に戻り、どう過ごすか考える。
日曜日に、一人で過ごすなんて能力が目覚めてから無かった事だ。
普段なら、この時間は訓練を行っている時間だ。
色々と考えた結果、訓練をする事にした。
扉に鍵を掛けて、窓とカーテンがしっかり閉まっている事を確認する。
部屋に魔力遮断装置を設置・起動して魔力が外部に漏れるのを防ぐ。
この装置は、魔力を遮断する結界を張る装置で、蓄魔器を内蔵しているので魔力を込める事で電源がなくても使用可能なものだ。
蓄魔器を満タンにして、1時間程度維持出来る。
強度的には、魔力量A8まで対応しているが、魔防装置に比べると防御力は無いに等しいので、外部からの攻撃で簡単に結界を破壊できる物だ。
魔防装置の簡易版の位置づけの装置だ。
自室での訓練なので、まず魔力制御訓練を行う。
携帯用魔力制御訓練装置を取出して、訓練を始める。
この携帯用魔力制御訓練装置も既に3台目になっている。
様々な改良を経て、測定魔力量をA8まで増やし、使用者の範囲を覆う魔防装置の結界機能(耐魔力量A8まで)を追加されたので、周囲に魔力を撒き散らす事も無くなった。
測定判定基準やゲーム要素も格段に増えている。
魔力制御訓練を1時間行い、魔力遮断装置に魔力を補充してから周囲への影響が無く目立たたない
最近練習する
水の入った500mlのペットボルト取り出すと、ペットボルトに触れないように側面を両手で挟む位置に持ってきて、手のひらを軽くお椀状にしてからペットボルト周辺の重力を減らす様に
そうすると、僅かにペットボトルが浮上する。
その状態を維持するが、5分程で落ちた。
今の私では、重力操作は5分が限界だった。
習得直後なんて、ティッシュペーパーの角を3秒程度浮かせる事しか出来なかった。それに比べれば成長している。
30分程、重力操作訓練をした後、次は影操作訓練をする。
今出来るのは、自分の影を伸ばしたり、縮めたりするだけだ。
しっかりと成長させれば、葉っぱマークの忍者の鹿さんみたいな事も可能らしいので、ちょっと期待している。
影操作訓練も30分程度で辞める。
重力と影の操作訓練って、単調な割に集中力が必要で直ぐ飽きるので、それぞれ1回30分のセットで訓練する様にしている。
15時を少し回っていたので、休憩することにした。
リビングには、父さんと母さんが居る。
舞は、午後から友達の家で期末試験対策の勉強会に参加している。
来週に行われる期末試験の成績如何では、お年玉に影響するから必死だ。
リビングでお茶を飲んで休憩していると、父さんに部屋で何をしていたのか聞いてきたので素直に、
父さんからは、「そうか、無理はするなよ。」だけ返ってきて、会話が続かない。
なので私は、父さんと母さんに私が居ない間になにか変わった事が無かったか聞いたが、返ってきた答えは「特に変わったことは無かった。」だった。
男だった頃と変わらないはずの、日曜日の午後のひとときのハズなのに異質に感じるのは何故だろう?
父「それはそうと、年末年始は自宅で過ごすで良いんだよな?」
「うん、その予定だよ。」
父「そうか。爺さんの所には行かないでこっちで過ごすか。」
母「その方が良いわね。優ちゃんをお義兄さん一家に会わせたく無いしね。」
父さんは、3人兄妹の次男なんだけど、お兄さんとは仲が良くない。
妹さんとは、仲が良いんだけどね。
叔父さんは、会うといつも嫌味を言ってくるし、地域防衛隊の曹長だからって威張っているから私も嫌いだ。
ついでに叔父さんの息子達も、いつも人を見下して来るから彼らの事も嫌いだ。
会わないで済むなら会いたくない。
舞も、キモい視線を向けてくるから嫌いだと言っていた。
でも、年末年始やお盆に祖父母の家で会うといがみ合うので、いつも祖父母が間に立ってくれている。
ちなみに、祖父母の家は長野にあり、叔母さん夫婦と一緒に農家をやって暮らしている。
「私も会いたくない。それに、長野に行くとなると護衛をつけないと行くことが出来ない。」
もう一つの大きな問題が、護衛の問題がある。
年末年始の忙しい時に、護衛に就いて貰わないといけないのは気が引けるし、あの叔父さんに護衛の人を会わせたくない。
口の悪いあの一家が、マトモだとも思えないから、鉄槌が下るのは間違いないけど私が引き金に成りたくない。
というわけで、年末年始は父方母方どちらの家にも行かないことが決定した。
母方の家は、三重の方にあります。
こちらの親戚とは、なにもトラブルはありません。
休憩後、物理・魔力結界の訓練を夕方まで行い、夜はオンラインでの勉強会を行って普段通りに寝ました。
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