第48話 現状確認(1)
太和「さて、さっさと自己紹介を済ませてしまおう。
でないと、昼になってしまう。
まずは、護衛役から行くか。」
まず、教導隊からは、霜月さん、太和さん、
人材育成課からは、氷室さん、山下
護衛チームは、基本的に固定になるそうで、都合等で多少メンバーが入れ替わったりする事もあるそうだ。
護衛チーム分けは、
A班:霜月さん、氷室さん、若桜さん
B班:戸神さん、雛元さん、植松さん
C班:太和さん、山下さん、望月さん
になった。
あと、
開発室室長の
三上さんの紹介だと、「戦略兵器から計測機器、訓練装置、果ては下着まで開発する変態集団だから遠慮なく要望をぶつけて良い」と言い、私の装備も開発してくれるそうだ。
ちなみに昨日、訓練装置の感想を聞きに来ていたのは水嶋さんと安藤さんでした。
三上「さて、自己紹介も終わったから昼飯にするぞ。
午後は、神城が今出来ることを確認して効果的な
全員の知恵を借りたい。」
水嶋「なら、第三射撃場を使いましょう。
神城さんに試してもらいたくて、色々と準備していました。
それに、外部に情報が漏れる心配もありません。」
三上「よし、午後は第三射撃場集合だ。」
その言葉で、食堂に移動する事になった。
食堂は、入院中もお世話になった場所だった。
初めて外から見た建物は、3階建てで1階が売店、2階が食堂、3階が宿泊所になっているそうだ。
「3階は、まるごと宿泊所なんですか?」
三上さんは、水嶋さんと安藤さんを
三上「その通りだ、研究所に泊り込む奴も結構いてな、宿泊所を作る前は研究室の椅子や机、床で寝る者も多かった上、何日も風呂も入らない、服も着替えない奴なんかも居て、研究室は
だから、宿泊所を作って寝てる奴らを片っ端から研究室から追い出し、研究室を徹底的に掃除させて、ようやくまともな研究室になったんだよ。」
二人は、明後日の方向を向いたまま、三上さんの声が聞こえないフリをしている。
あの感じだと、研究室を追い出された事が有ったのかな
そのまま、食堂に行き昼食を食べる。
太和さんからは、もっと食べないと大きくなれないぞっと言われ、若桜さんに無理な過食は逆に成長の害になるから、バランスの良い食事をすべきだと反論させれて、タジタジになっていた。
女子寮の人達も来たけど、私の周りに居る人達に遠慮したのか離れた場所で食べてる。そりゃあ、私の周りには教導官3人に三上主任や伊坂隊長といった面々が固めていたら近寄り難いよね。
食後は、1階の売店に移動した。
この売店、コンビニより物が多く有って見ているだけも結構楽しかった。
5冊綴のノートを購入していると
若桜「学校用?」
「いいえ。
女子寮の隊員の人達が勉強を教えてくれると言うので必要かなと思って。」
若桜「へぇー、そうなんだ。どんな事習うの?」
「苦手な数学と英語、あと希望でプログラミングを言ってますがおまかせで決めてもらってます。なんか色々と教えたいとか言ってました。」
若桜「そうなんだ。じゃあ頑張らないといけないね。
でも、プログラミングかパソコンが必要ね。
そうすると、優ちゃんにも事務仕事も教えないといけないかな。
こちらは、状況を見ながら追々ね。」
「お手柔にお願いします。」
売店の側の休憩所で残りのお昼休みを過ごした。
13時ちょっと前になって、第三射撃場に移動する。
移動先は、売店の裏。
そこには、エレベーターがあった。
「大きい」
三上「荷物の運搬も兼ねているエレベーターだからな。」
そう言いながら、エレベーターの操作パネルにIDカードをかざしてからからエレベーターを呼んだ。
護衛役の人達9人、開発室の人達3人、三上さんと伊坂さんと私の15名乗っても広々としている。
全員が乗り込んだら、エレベーターは地下に向かって降りていく。
三上「第三射撃場は、許可のある人間しか入れないようになっている。
名目上、射撃場になっているが、地下8層からなる特殊実験場と言う名の研究室で隣の
開発室の3人は、そっぽを向いている。
相当に耳が痛いみたいだ。
というか、五島さんもそちら側?
若桜「優ちゃん、研究者っていうのは熱中すると寝食を忘れるだけでなく、時には人間性も捨てちゃう人達が結構居るのよ。
そういう意味でも、三上主任はマトモな方よ。」
三上「若桜、それはどういう意味かな?」
若桜「主任だって、研究対象が目の前に居たら寝食忘れて熱中するし、突拍子もない実験とかやってしまうでは無いですか。
それでも、通常業務は放り出さないし、
そういう所は、尊敬できますよ。
あちらで明後日の方向を見てる人にも見習って欲しいですね。」
三上さんは、苦笑いし、3人組は若桜さんの言葉にダメージを受けている。
ご愁傷様です。
そうしている内に、地下8階に着いた。
エレベーターホールは、3方に通路が伸び、正面の通路はシャッターが降りている。他方の通路は、セキュリティゲートが設置されている。
あと、エレベーターホールは、休憩所を兼ねている様で自動販売機やベンチが置いてある。
水嶋「トイレは、エレベーターホールにしか無いから、行きたい人は今の内に済ませたほうが良いよ。」
と言う事で、トイレ休憩が追加された。
念のため、済ましておこう。
ここからは、水嶋さんの案内で移動する。
エレベーターホールを出てにセキュリティゲートを通過し、道なりに曲がり角を曲がると再びセキュリティゲートがあり、これを通過すると、○○研究室とか機械室、電気室と書かれたプレートが掲げられた部屋をいくつも通り過ぎて、大型実験場と書かれた扉を開けた。そこには、大きな空間が開けていた。
体育館の様な広さで、私達の向かい側にも扉があり、向かい側の扉では、フォークリフトやクレーンを使って荷物の搬入と設置が行われていた。
水嶋「驚いたようだね。
ここは、幅20m、奥行き50m、高さ16mの広さが有り、
神城さんが存分に力を振るうには不十分だが、この大きさの実験施設とは破格の強度を持っている。
神城さんの能力試験の為に、超々強度結界発生装置も準備した。
こいつは、10m四方にしか展開出来ないが、理論上S3ランクの物理・魔力両方の衝撃にも耐えられるはずだ。
破壊力試験の為に、Aランク以上ではないと破壊が難しい超強度コンクリートの1m四方の
さらに、その様子をつぶさに記録するために超高速度カメラも多数準備してある。
ただ、準備完了にはもう少し時間掛かる為、しばしお待ち下さい。」
徐々にテンションを上げて記録準備も完璧だと最高潮になった直後に、ストンと素に戻って淡々と時間をくださいと言う落差に
水嶋さんは、準備をしている人達の元に走って行き、なにやら指示を始めた。
遠目で見ても、スタッフの人達の動きが慌ただしくなっている。
三上「準備が出来たら、身体強化による攻撃力を確認しよう。
現状、神城の
準備をしているスタッフの人達を見ながら準備が整うのを待つのだっだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます