第15話 一番まともなバトルシーン

「紫苑なんだよな。」

と私は、戦闘状態をしながら聞いた。

「違うよ。

私はこないだの組織の幹部。

誰と勘違いしてるかしらないけど、

この能力は、

幹部にだけ与えられたボスのプレゼント。」

「いや違うな。

さっき(私の事少しは、覚えているんだ。)と言った。

これは、会った事があるということだ。」

「お前は、本当に嫌いだ。」

と少し言葉が突っかかっていた。

これは、

何て言い表せばいいかわからないんだろう。

ここから複雑な関係だったのだろう。

私は大切な事を忘れているようだな。

でもここで前世を知る紫苑について分かれば

石探しも楽になるだろう。

てことは、

何としても倒さないといけないか。

と頭を回していると、

火の玉が飛んできた。

「舞い上がれ僕の魔力!」


葵の声が聞こえてきてすぐに数人の人が

走ってきた。

「速すぎだろ。」

と言ってる間も距離が縮まっている。

もうダメかと思った瞬間

とてつもない風が吹いた時

「あいつも弱くなったな。」

と上から聞こえた。

「えっ。」

そこには、翼のはえた結月さんが居た。

「やぁ 困ってるみたいだね。

私が助けてあげようか?」 

とふざけているのか定着しているのか

わからないけど、

俺たちが合う最初のセリフを呑気に

結月さんは言った。

なんで結月さんまで魔法を使えているのか。

そしてなんで、ここにいるのか。

この疑問が頭に浮かんできた。

「どうして結月さんが、」

「おっと

話をしている場合ではないね。」

と言うと結月さんは、

おぞましいなにかを手から作り上げた。

するとそれを敵のいる方に打ったが、

それを避けたのか2、3人走ってきた。

「しつこいな~」

と結月さんが言うと

固まったかのように動かなくなった。

「そんなに命が要らないんだ~」

と結月さんは楽しげに言ったが、

そこには、恐怖しかなかった。

すると誰も動かなかったはずなのに

追ってきてた人の体がくずれた。

「よかったね

私がここに居て。」

「ありがとうございます。」

と頭を下げて言った。

「いやいいよ頭下げないで。

葵がいなければここには来てないから。」

「葵が?」

「私がここに居るのは、

暑いだけの魔法を使って

学校に入って来たからだよ。」

やっぱり葵の独自理論は、

失敗してたんだと思ったが、 

そのせいでこんなことになったんだ。

と葵をあまり期待しないようにしようと

思った。

敵も逃がしてここまで来てるわけだし。

「それで私がきずかれないように

魔法をかけて、追ってきたんだよ。」

「なんで魔法が使えるんですか?」

「私の事は今はいいし、

その前に私が居るとこは、

葵に言わないで。」

「それは何でですか?」

「今はその時じゃないんだよ。

それよりも伝えないといけないから

聞いて欲しい。

葵は、戦う前に舞い上がれと言うんだが、

魔力と私の体の場合は、逃げてくれ。

最悪の場合死んでしまう。

それと

この世界は、

普通という固定概念と

暇潰しという偽りで

できている。

この言葉を忘れないで。」

と言うと結月さんは、

飛んで行ってしまった。


「もすそろそろ決着をつけないか?」

「それは本気を出していいのか聞いてるの?

それならバレバレだね。

そんなにぼろぼろなんだから。」

あれから数分戦い続けている。

正直まだまだ上の魔法が使えるが

能力に制限がかかっいて使えない。

くそっ!

どうすればいいんだ。

「次なる戦いに備えて温存してるからね。

ここで魔力を無くすより

体力を無くした方が回復がいいだろ?」

「それが本当なら耐久したら勝てそうだね。

もしかして頭も回らなくなってきた?」

「逆に言うと一発デカイの入れれば

勝てるって事だろ?

なら入れてやるよ!」

と手にデカイ火の球体を作りそれを圧縮させるながら言った。

これを投げたら終わり。

と思った瞬間投げようとしながら

目の前が薄れていった。

あぁ満身のせいか。

と思ったがそれのせいだけでは無さそうだ。

「全くどれだけやられてるんだよ。」

とため息まじりに言った知らない男の声の声が聞こえた。

こいつがやったのか。

紫苑の相手で精一杯なのか僕は。

「なんでボスが。」

あぁこいつがボスなのか。

もうひと頑張りしなくちゃ…。


俺は民家がギリギリ見えるくらいの場所に居た。

ここら辺で待機しとけって言ってたが

戦闘音が聞こえてこないのに

帰ってくる気配が無い。

結月さんの言ってることが本当なら結構本気を出している。

ならここで待ってた方が身の安全的にも良いだろう。

ここまで思考が回った時、

休憩するため、座りこんだ。

疲労で頭が良く回らないので、周りに気にせず勢い良く座ってしまった。

そのせいで飛んでくる拳に気がつかず、

失神してしまった。


「順調かい?」

ボスと呼ばれていた彼は少し浮いている。

「もう一人の覚醒が起こってしまったことと、私の力が弱まってる事以外は順調かな。」

「そうか。とりあえずこの二人を予定どうりにしておくよ。それまでに鍛えておいてね?いつまでも"転移後"だからって甘えてられないからね。」

と言って、彼は二人を担いで瞬間移動の魔法を唱えた。

「どっちが上かわからないね。」

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